日本新聞: 新型コロナ専門家会合「新規感染急速減少も感染対策は徹底を」

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくについて助言じょげんする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうが開ひらかれ、新規しんき感染かんせん者しゃ数すうの急速きゅうそくな減少げんしょうに伴ともなって、療養りょうよう者しゃ数すうや重症じゅうしょう者しゃ数すうの減少げんしょうが続つづき医療いりょうや公衆こうしゅう衛生えいせいの体制たいせいも改善かいぜん傾向けいこうにあると分析ぶんせきしました。

一方いっぽうで、安心あんしん感かんが広ひろがり、人ひととの接触せっしょくの機会きかいが増ふえれば感染かんせんの再さい拡大かくだいにつながる懸念けねんもあるとして、基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくは引き続ひきつづき、徹底てっていするよう呼よびかけました。

専門せんもん家か会合かいごうは、全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうについて「急速きゅうそくな減少げんしょうが続つづいている」とした上うえで、療養りょうよう者しゃ数すうや重症じゅうしょう者しゃ数すうの減少げんしょうが続つづいているほか、亡なくなる人ひとの数かずも緩ゆるやかな減少げんしょう傾向けいこうに転てんじ、医療いりょうや公衆こうしゅう衛生えいせいの体制たいせいも改善かいぜん傾向けいこうにあると指摘してきしました。

地域ちいき別べつに見みると、東京とうきょう都とでは入院にゅういん者しゃ数すうや重症じゅうしょう者しゃ数すうも減少げんしょうし病床びょうしょう使用しよう率りつも3割わりを切きった一方いっぽうで入院にゅういん患者かんじゃや重症じゅうしょう者しゃに占しめる60代だい以上いじょうの人ひとの割合わりあいが増加ぞうか傾向けいこうにあることに注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

沖縄おきなわ県けんは、人口じんこうあたりの感染かんせん者しゃ数すうは全国ぜんこくで最もっとも高たかい水準すいじゅんであるものの減少げんしょう傾向けいこうで、自宅じたく療養りょうよう者しゃの数かずも減少げんしょうしてきているとしています。

さらに、関西かんさいや中京ちゅうきょう圏けんなどでも感染かんせん者しゃ数すうや入院にゅういん者しゃ数すうの減少げんしょうが続つづいているとしています。

専門せんもん家か会合かいごうは、感染かんせん者しゃが急速きゅうそくに減少げんしょうした背景はいけいには

▼市民しみんや事業じぎょう者しゃが感染かんせん対策たいさくに協力きょうりょくしたこと、

▼夜間やかんの繁華はんか街がいなどの人出ひとでの減少げんしょう

▼ワクチン接種せっしゅ率りつの向上こうじょう、

▼医療いりょう機関きかんや高齢こうれい者しゃ施設しせつでのクラスターの減少げんしょうなどがあると分析ぶんせきしています。

一方いっぽうで、今月こんげつの連休れんきゅうで移動いどうが増ふえたことや、感染かんせん者しゃが減へって安心あんしん感かんが広ひろがったことなどで、ふだん会あわない人ひとなどとの接触せっしょくの機会きかいが増ふえ、感染かんせんの再さい拡大かくだいにつながる懸念けねんもあるとしています。

専門せんもん家か会合かいごうは、まだ重症じゅうしょう者しゃが多おおい地域ちいきもあり、一般いっぱんの医療いりょうが制限せいげんされていることを踏ふまえ、できるだけ感染かんせん者しゃ数すうを減へらすことが必要ひつようだとして、▼ワクチンを接種せっしゅした人ひとを含ふくめて外出がいしゅつせざるを得えない場合ばあいでも遠出とおでや大勢たいせいで集あつまることや、混雑こんざつした場所ばしょなどの感染かんせんリスクの高たかい場面ばめんを避さけること、▼不ふ織お布ぬのマスクの着用ちゃくようや手洗てあらい、1つでも「密みつ」を避さけることや換気かんきなど基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくを徹底てっていするよう求もとめました。

また、冬ふゆに向むけてさらに厳きびしい感染かんせん状況じょうきょうになるという前提ぜんていで、▼医療いりょうや自宅じたく療養りょうようの体制たいせいを整ととのえることや▼症状しょうじょうを見分みわけるのが難むずかしい、インフルエンザの流行りゅうこうを見据みすえた準備じゅんびが必要ひつようだと指摘してきしました。

脇田わきた座長ざちょう「もう1段階だんかい感染かんせん状況じょうきょうを下さげたい」

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのあと会見かいけんした脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて「かなり改善かいぜんしている。分科ぶんか会かいが示しめした解除かいじょに関にかんする指標しひょうもほとんどクリアされている。ただ、全国ぜんこく的てきに大おおきな規模きぼで感染かんせん拡大かくだいしたこともあり、重症じゅうしょう者しゃ数すうは前回ぜんかいの流行りゅうこうの際さいのピークを下回したまわった程度ていどでまだ高たかいところがある。一般いっぱん医療いりょうへの負荷ふかもまだ残のこっていて、感染かんせん状況じょうきょうをさらに改善かいぜんさせることが重要じゅうようだ。感染かんせん者しゃ数すうが10万まん人にんあたり15を切きるあたりで下さげ止とまる傾向けいこうもあるので、もう1段階だんかい、感染かんせん状況じょうきょうを下さげたい」と述のべました。

また、今後こんごの感染かんせん対策たいさくについて、「新規しんき感染かんせん者しゃ数すうの水準すいじゅんがまだ高たかいところではもう少もうすこし下さげることが求もとめられ、市民しみんの皆みなさんの協力きょうりょくが必要ひつようだ。感染かんせん状況じょうきょうが改善かいぜんして緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなどの解除かいじょがニュースになると、安心あんしん感かんが広ひろがって活動かつどうが活発かっぱつ化かし、人ひと流りゅうや接触せっしょくが増ふえて感染かんせんが広ひろがることになる。海外かいがいの事例じれいを見みるとワクチン接種せっしゅが進すすんでいても、緩和かんわが進すすんで行動こうどうが自由じゆう化かされると感染かんせん状況じょうきょうが悪わるくなっている。日本にっぽんではマスクの着用ちゃくよう、手洗てあらい、換気かんき、密みつを避さけるといった基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくをした上うえで外出がいしゅつすることをお願おねがいしたい」と話はなしていました。

新規しんき感染かんせん者しゃ数すう前週ぜんしゅう比ひ全国ぜんこくで0.49倍ばい

27日にち行おこなわれた厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますと、新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは26日にちまでの1週間しゅうかんでは前まえの週しゅうと比くらべて、全国ぜんこくでは0.49倍ばいとほぼすべての地域ちいきで減少げんしょう傾向けいこうが続つづいています。

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされている地域ちいきのうち、首都しゅと圏けんの1都と3県けんでは

▼東京とうきょう都とと神奈川かながわ県けんで0.44倍ばい、

▼埼玉さいたま県けんで0.48倍ばい、

▼千葉ちば県けんで0.47倍ばい、

関西かんさいでは

▼大阪おおさか府ふで0.51倍ばい、

▼京都きょうと府ふで0.46倍ばい、

▼兵庫ひょうご県けんで0.57倍ばい、

▼滋賀しが県けんで0.52倍ばい、

中京ちゅうきょう圏けんでは

▼愛知あいち県けんで0.42倍ばい、

▼岐阜ぎふ県けんで0.60倍ばい、

▼三重みえ県けんで0.44倍ばいと前まえの週しゅうの半数はんすう前後ぜんごと減少げんしょう傾向けいこうが続つづいています。

また、

▼北海道ほっかいどうで0.68倍ばい、

▼茨城いばらき県けんで0.42倍ばい、

▼栃木とちぎ県けんで0.56倍ばい、

▼群馬ぐんま県けんで0.76倍ばい、

▼静岡しずおか県けんで0.38倍ばい、

▼広島ひろしま県けんで0.54倍ばい、

▼福岡ふくおか県けんで0.51倍ばい、

▼沖縄おきなわ県けんで0.50倍ばいと

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出でているすべての地域ちいきで減少げんしょう傾向けいこうとなっています。

現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうを人口じんこう10万まん人にんあたりの直近ちょっきん1週間しゅうかんの感染かんせん者しゃ数すうでみると、

▼沖縄おきなわ県けんが47.14人にん、

▼大阪おおさか府ふが30.59人にんと、感染かんせん状況じょうきょうが最もっとも深刻しんこくな「ステージ４よん」の目安めやすの25人にんを超こえているのは2つの府県ふけんで、およそ1か月かげつ前まえの先月せんげつ24日にちまでの1週間しゅうかんの43都道とどう府県ふけんから大おおきく減へりました。

このほか、

▼兵庫ひょうご県けんが21.39人にん、

▼愛知あいち県けんが20.03人にん、

▼東京とうきょう都とが18.24人にん、などとなっているほか、

▼全国ぜんこくでは14.01人にんで、

およそ1か月かげつ前まえの127.65人にんから大おおきく減へっています。

田村たむら厚生こうせい労働ろうどう相しょう「医療いりょう提供ていきょう体制たいせいも改善かいぜん傾向けいこう」

田村たむら厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、専門せんもん家か会合かいごうの冒頭ぼうとう「感染かんせん者しゃ数すうは非常ひじょうに大おおきなペースで減少げんしょうが続つづいている状況じょうきょうだ。療養りょうよう者しゃ数すうや重症じゅうしょう者しゃ数すうも減少げんしょうし、亡なくなる方ほうの数かずも、緩ゆるやかだが減少げんしょう傾向けいこうにあり、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいも改善かいぜん傾向けいこうが見みられる」と述のべました。

一方いっぽうで「欧米おうべい諸国しょこくでは、ワクチン接種せっしゅが進すすんだあともリバウンドが起おきているところもあり、ワクチンを接種せっしゅしたあともマスクをしっかりして、リスクの高たかい行動こうどうを避さけるよう、徹底てっていしてお願おねがいしなければならない」と指摘してきしました。

さらに、田村たむら大臣だいじんは「感染かんせん者しゃ数すうがなぜ急激きゅうげきに下さがっているのか、まだ理解りかいが進すすんでいないところもある。よくわからずに減へっているということは、また増ふえてくる可能かのう性せいが十分じゅうぶんにあるので、何なにかあった時ときにすぐに対策たいさくを組くめるよう検討けんとうしなければならない」と述のべました。