名古屋出入国在留管理局の
施設に
収容されていたスリランカ
人の
女性が
死亡した
問題で、
検察が
殺人の
疑いで
告訴された
当時の
局長らを
不起訴としたことについて、
検察審査会は「
業務上過失致死罪が
成立するか
どうかを
再検討するべきで
不起訴は
不当だ」と
議決しました。
去年3月、名古屋出入国在留管理局の施設で収容中に体調不良を訴えて亡くなったスリランカ人の女性、ウィシュマ・サンダマリさん(33)の遺族は管理局の当時の局長らを殺人の疑いで告訴しましたが、ことし6月、検察が全員を不起訴にしたため検察審査会に審査を申し立てていました。
これについて名古屋第一検察審査会は、26日議決を公表しました。
この中で告訴のあった殺人罪は成立しないと判断した一方で、業務上過失致死罪にあたらないか独自に検討しました。
そして、「入管側は被害者が亡くなる2日前からは生命が危険な状態にあると把握できた可能性が十分あり、救急搬送などの措置を講じていれば命を救えたと考えることもできる。過失の有無などについて捜査が不十分だと言わざるをえない」と指摘しました。
そのうえで「業務上過失致死罪が成立するかどうか再検討すべきで、不起訴は不当だ」と結論づけました。
この議決を受けて検察は再び捜査を行い、改めて起訴するかどうか判断することになりました。
名古屋地検 金山次席検事「議決踏まえ適切に対応」
名古屋地方検察庁の金山陽一次席検事は、「検察審査会の議決を踏まえ、適切に対応する」とコメントしています。