Japanese News: 苦境のオーケストラ国内の公演1000超が中止や延期新型コロナ

苦境くきょうのオーケストラ国内こくないの公演こうえん1000超ちょうが中止ちゅうしや延期えんき新型しんがたコロナ

Jun 6, 2020 16:06

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで、国内こくないのオーケストラは公演こうえんができない状態じょうたいが長引ながびくうえ再開さいかいもすぐにはできず、1000を超こえる公演こうえんが中止ちゅうしや延期えんきに追い込おいこまれています。日本にっぽんオーケストラ連盟れんめいによりますと、加盟かめいしている国内こくない37のオーケストラが2月つき下旬げじゅん以降いこう、4日にちまでに中止ちゅうしや延期えんきを決きめた公演こうえんは、合あわせて1009に上のぼっています。

このうちおよそ300公演こうえんは、今月こんげつ以降いこうに予定よていされていたもので、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが全国ぜんこくで解除かいじょされたあとも、すぐには公演こうえんを再開さいかいできず苦境くきょうに立たたされています。

再開さいかいに時間じかんがかかる理由りゆうについて、連盟れんめいは楽団がくだん員いんがこの3か月かげつ間かん、集あつまって練習れんしゅうできなかったうえ、舞台ぶたい上じょうや客席きゃくせきのいわゆる「3密みつ」を防ふせぐ方法ほうほうが定さだまっていないことや、海外かいがいの指揮しき者しゃやソリストが来日らいにちするめどが立たっていないことなどを挙あげています。

また、客きゃくどうしの間隔かんかくを広ひろげるために客席きゃくせきを減へらした場合ばあい、チケット収入しゅうにゅうだけでは赤字あかじになるおそれもあり、再開さいかいしても公演こうえんを続つづけていけるのか心配しんぱいする声こえが聞きかれるということです。

連盟れんめいの桑原くわばら浩ひろし常務じょうむ理事りじは、「不安ふあん材料ざいりょうは、資金しきんと芸術げいじゅつ表現ひょうげんの大おおきく2つの面めんで残のこっている。再開さいかいすることで、演奏えんそうができる喜よろこび、お客様おきゃくさまを招まねける喜よろこびはあるが、赤字あかじを増ふやしていく期間きかんが長たければ意味いみがないので、非常ひじょうに大おおきな問題もんだいだと考かんがえている」と話はなしています。

再開さいかいに向むけ試行しこう錯誤さくご

苦境くきょうが続つづく中なか、再開さいかいに向むけて模索もさくを始はじめる動うごきも出で始はじめています。

大阪おおさかを拠点きょてんに活動かつどうしている関西かんさいフィルハーモニー管弦楽かんげんがく団だんは、2月つき下旬げじゅん以降いこう、16の公演こうえんが中止ちゅうしや延期えんきとなり、およそ60人にんの楽団がくだん員いんは2月つき28日にちの定期ていき演奏えんそう会かいを最後さいごにステージに立たっていないということです。

楽団がくだん員いんが集あつまっての練習れんしゅうもほとんどなくなり、トランペット奏者そうしゃの白水しろうず大介だいすけさんも、不安ふあんを抱かかえながら1人にん練習れんしゅうする日々ひびが続つづきました。

白水しろうずさんは、「演奏えんそう会かいがなくなっていくので、これは一体いったいどうしたものかと不安ふあんになっていった。そのうちに、やっぱりお客おきゃくさんには生なまで演奏えんそうを聴きいてほしいという思おもいが強つよくなっていきました」と振り返ふりかえっています。

その後そのご、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが解除かいじょされたことを受うけて、楽団がくだんは今月こんげつ27日にちの定期ていき演奏えんそう会かいでの再開さいかいを目指めざすことになりました。

先月せんげつ29日にちには楽団がくだん員いんがおよそ2か月かげつぶりに練習れんしゅう場じょうにしているホールに集あつまり、ステージ上じょうで「ソーシャルディスタンス」を十分じゅうぶんに確保かくほしたうえで問題もんだいなく演奏えんそうできるかどうか検証けんしょうしました。

場所ばしょを変かえながら演奏えんそうを繰り返くりかえした結果けっか、弦楽器げんがっきは前後ぜんご左右さゆうに1.5メートル、管楽器かんがっきは2メートルの距離きょりをそれぞれ確保かくほしても、ステージに30人にんほど上あがることができ、弦楽器げんがっきの配置はいちを工夫くふうすることで違和感いわかんなく演奏えんそうできることが分わかりました。