まだ食べられるのに
捨てられる「
食品ロス」が、
東京オリンピックの
現場でも
起きていました。
今月23日の開会式で、スタッフなどに用意された弁当などおよそ4000食分が食べられずに余ったことがわかり、大会組織委員会は適正な発注を徹底するなど再発防止に取り組みたいとしています。
これは大会組織委員会が28日の記者会見で明らかにしたものです。
それによりますと、7月23日に行われた東京オリンピックの開会式で、スタッフやボランティアなどに用意された弁当などおよそ1万食分のうち、4000食分ほどが食べられずに余ったということです。
その後、競技会場でも同じようなケースが相次ぎ、先週までに発注した量の2割から3割が余ったということです。
発注の見積もりを誤ったことや、業務が多忙で食事をとらなかった人が相次いだことなどが原因とみられ、余った食品は、発電などに使われるバイオガスや家畜の餌に再利用したということです。
組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは会見で「食品ロスが生じた事実について、おわびを申し上げます。今週からは発注を適正化する措置をとっていて、この状態は改善していくと考えています」と述べ、再発防止に取り組む考えを示しました。
ワーキンググループ座長「非常に残念」
大会組織委員会は「
持続可能性に
配慮した
運営計画」を
作っていて、
この中では
食品ロスの
発生を
抑えること
などを
掲げています。
この計画を作ったワーキンググループで、座長を務めたジャーナリストの崎田裕子さんは「5年間、徹底的に組織委員会と議論して計画を作ったが、これだけの食品ロスを出し非常に残念だ。急に無観客になり、変更が大変多い中で余裕がなかったと思うが、余剰がわかった段階で注文先と相談することが必要だった」と話しています。
崎田さんによりますと、リオデジャネイロオリンピックでは、廃棄する食材をシェフが調理して生活に困窮している人たちなどに提供する取り組みが行われたということです。
しかし、東京大会では、消費期限などを考慮して、こうした対応はとられていません。
崎田さんは「食材を外に出せないことが分かっていたからこそ、事前の数量の調節が非常に大事だった。まだ大会は続くので、現場で柔軟な判断をしてほしい」と話しています。