日本新聞: オリンピック【詳細】柔道混合団体日本は銀メダル

東京とうきょうオリンピック、柔道じゅうどうの新しん種目しゅもく「混合こんごう団体だんたい」で、日本にっぽんがフランスとの決勝けっしょうで1対たい4で敗やぶれ、銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしました。

柔道じゅうどうの「混合こんごう団体だんたい」は、男女だんじょそれぞれ3階かい級きゅうずつ、合あわせて6階かい級きゅうでチームを組くんで対戦たいせんする種目しゅもくで、先さきに4勝しょうしたチームが勝かちとなります。

世界せかい選手権せんしゅけんで4連覇れんぱ中ちゅうの日本にっぽんは、初戦しょせんの準々じゅんじゅん決勝けっしょうでドイツに4対たい2、続つづく準決勝じゅんけっしょうでロシアオリンピック委員いいん会かいに4対たい0で勝かって、順当じゅんとうに決勝けっしょうに進すすみました。

決勝けっしょうはフランスとの対戦たいせんとなり、日本にっぽんは1人にん目めの新井あらい千鶴ちづる選手せんしゅと2人にん目めの向むかい翔しょう一郎いちろう選手せんしゅが敗やぶれ、2連敗れんぱいとなります。

続つづく3人にん目めの女子じょし70キロを超こえるクラスで素もと根ね輝てる選手せんしゅがロマンヌ・ディコ選手せんしゅと対戦たいせんしました。

今こん大会たいかい、女子じょし78キロを超こえるクラスで銅メダルどうめだるを獲得かくとくしパワーのあるディコ選手せんしゅに対にたいし、素もと根ね選手せんしゅは圧力あつりょくに押おされながらも開始かいし2分ふん20秒びょうごろ、大内おおうち刈がりで技わざありを奪うばい、さらに3分ふんすぎに抑え込おさえこみで技わざありを奪うばって「合あわせ技わざ一いち本ほん」で勝かちました。

しかし、4人にん目めの男子だんし90キロを超こえるクラスでウルフアロン選手せんしゅがテディ・リネール選手せんしゅに敗やぶれて1対たい3となり、あとがなくなりました。

そして5人にん目めの女子じょし57キロ級きゅうの芳田よしだ司つかさ選手せんしゅは、サラレオニー・シジク選手せんしゅと対戦たいせんしました。シジク選手せんしゅは今こん大会たいかい、個人こじんで57キロ級きゅうに出場しゅつじょうし、銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしています。

芳田よしだ選手せんしゅは序盤じょばんから積極せっきょく的てきに仕掛しかけますが、開始かいし1分ふんごろ、内股うちまたで技わざありを奪うばわれてこのまま負まけました。

この結果けっか、日本にっぽんは1対たい4で敗やぶれて銀メダルぎんめだるとなりました。

柔道じゅうどう発祥はっしょう国こくの威信いしんをかけた戦たたかいも銀メダルぎんめだる

柔道じゅうどうの新しん種目しゅもく・混合こんごう団体だんたいは。日本にっぽんにとっては柔道じゅうどう発祥はっしょう国こくの威信いしんをかけた戦たたかいでした。

オリンピックでの実施じっしが決きまってから世界せかい選手権せんしゅけんでも実施じっしされ、トップ選手せんしゅの層そうが厚あつい日本にっぽんが4連覇れんぱを果はたしました。世界せかいからは「開催かいさい国こく、日本にっぽんのための新しん種目しゅもく」とまでやゆされました。

しかし、オリンピックでは、団体だんたいだけに出場しゅつじょうする選手せんしゅを登録とうろくできる世界せかい選手権せんしゅけんとは異ことなり、個人こじん戦せんに出場しゅつじょうした選手せんしゅしか起用きようできません。

このため個人こじん戦せんのあとの疲労ひろう回復かいふくや体重たいじゅうの維持いじに加くわえて、1つ下したの階級かいきゅうの選手せんしゅを出場しゅつじょうさせるなど12人にんまで登録とうろくできる選手せんしゅの起用きよう法ほうがポイントでした。

おととしの世界せかい選手権せんしゅけんでは、前日ぜんじつの女子じょしの最さい重量じゅうりょう級きゅうに出場しゅつじょうした選手せんしゅ2人にんにいずれもアクシデントがあり、女子じょし78キロ級きゅうの濱田はまだ尚しょう里さと選手せんしゅが代かわって出場しゅつじょうし、相手あいての最さい重量じゅうりょう級きゅうの選手せんしゅに勝かって日本にっぽんの金メダルきんめだるに貢献こうけんしました。

この経験けいけんもあって、日本にっぽんは今こん大会たいかいでも個人こじん戦せんに出場しゅつじょうした選手せんしゅ全員ぜんいんに最終さいしゅう日びの団体だんたいまで出場しゅつじょうを想定そうていして準備じゅんびするよう求もとめてきました。さらに通常つうじょう、男女だんじょの選手せんしゅたちは別々べつべつに活動かつどうをしていますが、合同ごうどうの合宿がっしゅくを設もうけて一緒いっしょにゲームをするなどしてチームワークの向上こうじょうにも務つとめてきました。

女子じょしの増ぞう地ち克之かつゆき監督かんとくは、63キロ級きゅうで田代たしろ未来みらい選手せんしゅがメダルを逃のがした際さい、「まだ団体だんたい戦せんもあります」と話はなし、男子だんしの井上いのうえ康生やすお監督かんとくも「向むかいと原沢はらさわの2人にんには団体だんたいで金メダルきんめだるを持ち帰もちかえらせたい」と個人こじん戦せんを終おえた30日にちに話はなしていました。

男女だんじょの14選手せんしゅ全員ぜんいんの思おもいと力ちからを結集けっしゅうして、柔道じゅうどう発祥はっしょう国こくの威信いしんをかけた戦たたかいに挑いどみました。

初戦しょせんとなったドイツとの準々じゅんじゅん決勝けっしょうでは、女子じょし57キロ級きゅうに52キロ級きゅうの阿部あべ詩し選手せんしゅが出場しゅつじょう、相手あいての57キロ級きゅうの選手せんしゅのパワーに押おされて敗やぶれます。さらに個人こじんでは絶対ぜったい的てきな強つよさを誇ほこった男子だんし73キロ級きゅうの大野おおの将すすむ平ひら選手せんしゅが7年ねんぶりに外国がいこく人じん選手せんしゅに敗やぶれる波乱はらんもありました。日本にっぽんは2連敗れんぱいとなりましたが、このあと個人こじんではメダルを逃のがした男子だんし90キロ級きゅうの向むかい翔しょう一郎いちろう選手せんしゅなど4人にんが続つづけて勝利しょうりし勝かち上あがりました。

準決勝じゅんけっしょうは4連勝れんしょうで圧倒あっとうし、決勝けっしょうは競技きょうぎ人口じんこう世界せかい最多さいたの柔道じゅうどう大国たいこく・フランスと対戦たいせんしました。

日本にっぽんは1対たい4で敗やぶれ、個人こじんで9個この金メダルきんめだるを獲得かくとくした勢いきおいを混合こんごう団体だんたいにつなげらず、銀メダルぎんめだるでした。

1人にん目め新井あらい「流ながれ作つくれずふがいない」

1人にん目めで出場しゅつじょうした新井あらい千鶴ちづる選手せんしゅは「本当ほんとうに先せんぽうとして日本にっぽんに流ながれを作つくりたかったが、作つくれなくてふがいない。日本にっぽんチームにいい流ながれを作つくれなかったので今いまは何なんとも言いえない気持きもちだ」と悔くやしそうに話はなしていました。

2人にん目め向むかい「もう少もうすこし我慢がまんしたかった」

2人にん目めで出場しゅつじょうし敗やぶれた向むかい翔しょう一郎いちろう選手せんしゅは「個人こじん戦せんで結果けっかが残のこせなかった分ぶん、団体だんたいではみんなのために戦たたかいたかった。もう少もうすこし我慢がまんしたかったし、チームのみんなに申し訳もうしわけない」と話はなしていました。

3人にん目め素もと根ね「優勝ゆうしょうを目指めざしたので悔くやしい」

3人にん目めで出場しゅつじょうし、決勝けっしょうでは日本にっぽんでただ1人にん勝利しょうりをあげた素もと根ね輝てる選手せんしゅは「みんなで優勝ゆうしょうを目指めざしていたので、2位いで悔くやしい」と話はなしていました。

4人にん目めウルフアロン「壁かべを破やぶれなかった」

4人にん目めに出場しゅつじょうしたウルフアロン選手せんしゅは、決勝けっしょうで対戦たいせんしたリネール選手せんしゅとの試合しあいを振り返ふりかえり「これから僕ぼくが柔道じゅうどうを続つづけていく上うえで勝かたないといけない壁かべだと思おもっていました。今こん大会たいかいでその壁かべを破やぶろうと思おもっていたが最終さいしゅう的てきに計画けいかくどおりにはいかずふがいない結果けっかに終おわってしまいました」と悔くやしさをにじませていました。

5人にん目め芳田よしだ「チームのために勝かちたかった」

5人にん目めに出場しゅつじょうして敗やぶれた芳田よしだ司つかさ選手せんしゅは「チームのために勝かちを取とりたかったが、取とれなかった。決勝けっしょうだけ出だしてもらえるということで準備じゅんびはしていたが、自分じぶんの流ながれにすることができなかった」と話はなしていました。

◇試合しあい詳細しょうさい◇

【1人にん目め】新井あらい敗やぶれる日本にっぽん0-1フランス

女子じょし70キロ級きゅうで、新井あらい千鶴ちづる選手せんしゅは「合あわせ技わざ一いち本ほん」を奪うばわれて敗やぶれました。

【2人にん目め】向むかい敗やぶれる日本にっぽん0-2フランス

男子だんし90キロ級きゅうで、向むかい翔しょう一郎いちろう選手せんしゅは延長えんちょう戦せんで「隅すみ落おとし」で一いち本ほんを奪うばわれて敗やぶれました。

【3人にん目め】素もと根ね合あわせ技わざ一いち本ほん勝がち日本にっぽん1-2フランス

女子じょし70キロを超こえるクラスで、素もと根ね輝てる選手せんしゅが「合あわせ技わざ一いち本ほん」を奪うばって勝かち、日本にっぽんは1勝しょう2敗はいとなりました。

【4人にん目め】ウルフアロンリネールに敗やぶれる日本にっぽん1-3フランス

男子だんし90キロを超こえるクラスで、ウルフアロン選手せんしゅがフランスのテディ・リネール選手せんしゅに延長えんちょう戦せんで内股うちまたで技わざありを奪うばわれて敗やぶれ、日本にっぽんは1勝しょう3敗はいとなりました。

【5人にん目め】芳田よしだ敗やぶれる日本にっぽん1-4フランス

女子じょし57キロ級きゅうで、芳田よしだ司つかさ選手せんしゅが技わざありを奪うばわれて敗やぶれ、これで日本にっぽんは1勝しょう4敗はいとなり銀メダルぎんめだるとなりました。

日本にっぽんの決勝けっしょうメンバー（試合しあい順じゅん）

▼女子じょし70キロ級きゅう:新井あらい千鶴ちづる

▼男子だんし90キロ級きゅう:向むかい翔しょう一郎いちろう

▼女子じょし70キロ超ちょう級きゅう:素もと根ね輝てる

▼男子だんし90キロ超ちょう級きゅう:ウルフアロン

▼女子じょし57キロ級きゅう:芳田よしだ司つかさ

▼男子だんし73キロ級きゅう:大野おおの将すすむ平たいら

フランスは、男子だんし90キロを超こえるクラスで、テディ・リネール選手せんしゅが出場しゅつじょうします。

新しん種目しゅもく「混合こんごう団体だんたい」とは

混合こんごう団体だんたい男女だんじょそれぞれ3階かい級きゅうずつ、合あわせて6階かい級きゅうでチームを組くんで試合しあいを行おこない、勝かち数すうの多おおいチームが勝かち上あがるトーナメント方式ほうしきです。

6つの階級かいきゅうは「男子だんし73キロ級きゅう」「男子だんし90キロ級きゅう」「男子だんし90キロ超ちょう級きゅう」「女子じょし57キロ級きゅう」「女子じょし70キロ級きゅう」「女子じょし70キロ超ちょう級きゅう」で、それぞれ1人にんずつ合あわせて6人にんでチームを構成こうせいし、同おなじ階級かいきゅうの選手せんしゅが対戦たいせんします。

両りょうチームの勝かち数すうでチームの勝敗しょうはいを決きめ、先さきにどちらかが4勝しょうした時点じてんで試合しあいが終了しゅうりょうします。また勝かち数すうが3対たい3で並ならんだ場合ばあいは、その時点じてんで行おこなわれる抽選ちゅうせんによって階級かいきゅうを決きめ、その階級かいきゅうの選手せんしゅが技わざによるポイントを奪うばった時点じてんで勝敗しょうはいが決きまるゴールデンスコア形式けいしきによる代表だいひょう戦せんを行おこなって、チームの勝敗しょうはいを決きめます。