23日の東京は厳しい寒さとなりましたが、午前9時半に皇居の正門が開くと、待っていた7000人余りが二重橋を渡って宮殿の前に向かいました。
天皇陛下は、午前中3回、皇后さまと長女の愛子さま、それに秋篠宮ご夫妻とご夫妻の次女の佳子さまとともに皇居・宮殿のベランダに立ち、集まった人たちに手を振ってこたえられました。
天皇陛下は、大雪による被害などへのお見舞いのことばを述べたうえで「そのような中にあって、ここ東京では梅の花も咲き、春が一歩一歩近づいていることを感じます。全国各地の皆さん一人一人にとって、穏やかな春が訪れるよう願っております」と話されました。
午後は宮殿で、皇后さまをはじめ皇族方や石破総理大臣、それに各界の代表などとともに、5年ぶりとなる祝宴に臨まれました。
宮殿内での飲食を伴う行事は感染対策をしながら段階的に再開されていて、今回はおよそ120人と前回の4分の1ほどの規模での開催となりました。
天皇陛下は、このあと日本に駐在する139の国や地域の大使夫妻などからも祝賀を受けられました。
皇居では、午後から一般の人たちを対象にした記帳も受け付けられ、23日の一日で2万3000人余りがお祝いに訪れました。
一般参賀に訪れた人は
都内の32歳の男性は「インスタグラムの宮内庁公式アカウントをフォローしていて、写真だけではなく実際にお姿を見たいと思って来ました。両陛下の被災地へのお見舞いの気持ちや、日本国民が平和に暮らせるように願われているところに感謝しています」と話していました。
夫とともに訪れた埼玉県の74歳の女性は「天皇陛下に誕生日のお祝いを伝えに来ました。『国民の幸せを願っています』という天皇陛下のお気持ちを聞けてうれしかったです」と話していました。
幼なじみ2人とともに訪れた三重県の84歳の女性は「大変な時代に頑張られている天皇陛下のおことばに感激しました。私の家は戦争で疎開を余儀なくされ大変な思いをしましたが、だんだんそうした戦争の記憶が忘れ去られているように感じるので、両陛下のご活動でつないでいってほしいと思います」と話していました。