気象庁はホームページに
民間の
広告をはじめて
掲載することになりました。
専門家は「
今後も
災害が
想定される
中、
民間資金に
頼らざるをえない
状況自体が
問題で、
国は
財政基盤を
しっかり担保するべきだ」と
指摘しています。
気象庁は、ことし9
月からホームページに
広告を
掲載することにしていて、
現在広告の
選定などを
担う事業者を
募集しています。
費用をとっての
広告の
掲載は
国の
省庁では
異例で、
背景には
気象庁の
厳しい財政状況があります。
大規模な災害が相次いでいる中、気象庁ではホームページでの情報発信や気象衛星での観測の強化のほか、ふだんの気象や地震の観測などのためにかかるシステムの「維持費」は、毎年およそ170億円に増加しています。
一方で全体の予算は大幅に増えず、気象庁はアメダスなど観測機器の更新に充てられる整備費を圧縮することで「維持費」を確保しています。さらに、財政がひっ迫する中で、地球温暖化など異常気象の要因を探るための海洋気象観測船も老朽化が進んでいますが、更新のめどがたっていないということです。今回の広告募集はこうした状況の中で行われ、気象庁は資金調達の模索を続けることにしています。
防災情報に詳しい兵庫県立大学の木村玲欧教授は「気象庁が扱う防災情報は災害から命を守る公共の情報で、特定の利益のもとで信頼性が損なわれないよう内容を検討するべきだ。今後もさまざまな災害が想定される中で、防災情報を扱う気象庁が民間資金に頼らざるをえない状況自体が大きな問題で、国は財政基盤をしっかり担保するべきだ」と指摘しています。