藤井棋聖は、一夜明けた17日午前、大阪の関西将棋会館で記者会見に臨みました。
16日夜はふだん通りの心境で6時間の睡眠を取ったということで、はじめに「棋聖獲得」の心境を改めて聞かれると、「まだ実感がないですが、これから徐々に実感する場面が増えてくるのかなと思います。今回、渡辺棋聖と五番勝負を戦えたことは、自分にとって本当にいい経験だったと感じています」と語り、熱戦を振り返りました。
また、16日夜の対局のあと、母親に電話でタイトル獲得を報告したということで、「家族も結果は知っていると思ったので、自分からは何も言いませんでしたが、『よかったね』と言ってもらえました。喜んでもらえたかなと思います」と話していました。
中学2年でデビューしてからタイトル獲得までの道のりについては「棋士になった段階で、タイトルは当然目指していましたが、やはりなかなか遠いものではあったので、棋士になってからの3年半で経験も積み、成長できたことが、今回の結果につながったと感じます。トップ棋士と対戦する中で自分の将棋の課題も見つけることができましたし、特に中盤戦は、デビュー当時と比べると成長できたと思っています」と振り返っていました。
タイトルを獲得したことで、「藤井聡太棋聖」と呼ばれることについては、「現状はまだ慣れない気がしますが、これから徐々にタイトルホルダーとしての立ち居振る舞いを勉強していければと思っています」と話しました。
藤井棋聖は現在、「王位戦」七番勝負に挑戦者として出場し、ここまで木村一基王位を相手に2連勝しています。
今後の対局に向けて聞かれると、「木村王位の力強い指し手に苦しめられる場面も多かったので、そこを反省して、第3局以降もいい将棋を指せるように頑張りたい」と述べました。
会見で藤井棋聖は、『探究』ということばを記した色紙を掲げ、「タイトルを獲得できましたが、将棋は本当に難しいゲームで、この立場になってもまだまだ分からないことばかりだと感じるので、これからも探究心を持って盤上に向かいたい」と今後への思いを語っていました。