アメリカCDC=
疾病対策センターは、
子どもたちが
参加するサマーキャンプで
新型コロナウイルスの
集団感染が
起きたと
発表しました。
アメリカで
休校が
続く学校の
再開が
課題と
なるなか、
子どもが
集団生活を
送る際の
感染対策の
難しさが
浮き彫りになった
形です。
CDCが31
日に
行った
発表によりますと、ことし6
月、
南部ジョージア
州で
行われた
子どもたちが
参加するサマーキャンプの
期間中、スタッフのひとりが
新型コロナウイルスに
感染していることがわかり、
検査の
結果参加者の44%にあたる260
人の
感染が
確認されたということです。
感染者の割合は6歳から10歳の子どもでは51%、11歳から17歳では44%でした。参加者は州の規則に従いサマーキャンプが始まる前に検査を受けていましたが、期間中のマスクの着用や宿舎の換気は徹底されていなかったということです。
CDCは大勢が同じ部屋に宿泊したり歌を歌ったりしたことが感染を拡大させたとみていて「子どもたちが集団で宿泊する際のリスクが示された」として、注意を呼びかけています。
アメリカでは休校が続いている小学校や中学校などの再開が課題となっていますが、今回の例は子どもが集団生活を送る際の感染対策の難しさを浮き彫りにしています。
NYは授業再開方針 反対の州も
アメリカでは、感染が拡大した3月から4月にかけて保育園や幼稚園のほか、小中学校や高校がほとんどの州で休校になりました。
このため多くの学校ではインターネットを使った遠隔での授業や指導が行われているものの、保護者から対面での授業と比べて教育の質が低いと指摘されるなど休校が長期化することへの懸念が出ています。
一方、学校での集団生活で感染が広がることも心配されていて、感染の拡大を防ぎながら対面での授業をどう再開するかが課題となっています。
現在、多くの学校は夏休みに入っていますが、トランプ政権や与党・共和党の議員の一部は、「秋から学校を再開すべきだ」と対面での授業の再開を求めています。
これに対して民主党の議員や州知事は、多くの州で感染の拡大が続いているとして、「感染が制御可能な水準になるまでは再開は難しい」という慎重な姿勢を見せています。
こうした中、ニューヨーク市のデブラシオ市長は31日、市内の検査の陽性率が1週間平均で3%以下であれば対面での授業を再開する方針を発表しました。
再開にあたっては、マスクの着用や机の消毒などの基本的な感染対策に加えて学校の教師や職員に感染していないことを確認するための検査を義務づけるほか子どもが感染した場合は速やかに学校の閉鎖を検討するとしています。また、陽性率が3%を上回った場合は再び休校にするとしています。
こうした動きの一方で、感染が拡大する南部テキサス州やフロリダ州などでは教師の組合や一部の保護者が子どもの健康が危険にさらされるとして対面での授業の再開に反対する運動を起こしています。
アメリカCDC=疾病対策センターは対面での授業の再開に向けたガイドラインを発表し、「子どもたちが感染し、重症化するリスクは比較的低い」としています。
しかし、今回明らかになったサマーキャンプでの集団感染では子どもの間でも感染が広がることが明らかになったほか、子どもを介して大人にも感染が拡大する可能性が指摘されていて、子どもが集団生活を送る際の感染対策の難しさが浮き彫りになった形です。