インド洋の
島国、モーリシャスの
沖合で
商船三井が
運航する
貨物船が
座礁して
大量の
油が
流れ出た
事故について、
現地の
環境保護団体が
インタビューに
応じ「
自然が
元のように
回復するには
数十年かかる可能性がある」と
強い懸念を
示しました。7
月26
日、
商船三井が
運航する
貨物船がモーリシャスの
沖合で
座礁し、
およそ1000
トンの
重油が
流出したと
見られています。
インタビューに応じた環境保護団体「モーリシャス野生生物基金」の保全責任者、ビカシュ・タタヤ氏によりますと事故は絶滅の危機にひんしていた鳥や希少な植物などの保全に35年以上取り組んできた自然保護区からおよそ2キロの場所で起こり、重油の影響でさまざまな魚やかにが死んでいるということです。
また、国際的に重要な湿地の保全を定めたラムサール条約に登録された場所でもマングローブなどに被害が出ているほか、土壌汚染が鳥や昆虫などに中長期的な影響を与えるとして「自然が元のように回復するには数十年かかる可能性がある」と危機感を示しました。
さらに、タタヤ氏は漁業と観光を主な収入源としていた沿岸地域の影響は甚大だとして「新型コロナウイルスの影響で途絶えていた観光客の受け入れ再開を地域の人は楽しみにしていたが、事故の影響は数年間は続くだろう。地域は経済的に2重のダメージを負っている」と懸念を示しました。
そのうえで、運航会社の商船三井に対しては「重油を回収するだけでなく生態系を回復するための適切な補償を望む」としたほか日本には「堆積した重油によって死滅するおそれのあるさんごを再生するなど、日本の技術が生態系を回復できると期待している」と協力を呼びかけました。