新型コロナウイルスの影響で観客を入れずに行われた大会で、男子100メートルには日本歴代2位で9秒98の記録を持つ桐生選手と小池祐貴選手のほか、歴代4位で10秒00の山縣亮太選手などが顔をそろえました。
このうち桐生選手は予選で追い風0.7メートルの中、10秒09の全体トップのタイムで決勝に進みました。
決勝では課題としてきたスタートで反応よく飛び出し、得意の中盤から後半でも持ち味の力強い走りを見せ、トップでフィニッシュしました。
桐生選手は向かい風0.2メートルの中、10秒14のタイムで優勝しました。
2位はケンブリッジ飛鳥選手で10秒16。
3位は竹田一平選手で10秒30でした。
多田修平選手は10秒37で6位、小池選手は10秒53で8位、山縣選手は予選で10秒42とタイムが伸びずに決勝に進めませんでした。
桐生「「勝ち切れて自信になる」」
10秒14のタイムで優勝した桐生祥秀選手は「決勝で勝ち切ることができたことはよかったし、自信になる。予選と決勝の間が短かったが自分の走りができた。10秒14というタイムは遅いタイムではないと思う」とレースを冷静に振り返りました。
また新しくなった国立競技場で走ったことについては「『来年のオリンピックではここで走るのか』と思いながら走った。トラックの感覚はふだんから気にしていないので特に何も感じなかった」と話していました。
今後に向けては「ことしは何本レースを走れるかわからないので、1本1本を大切にしている。今回出た課題を次回以降のレースで改善できるように頑張っていきたい」と話していました。
ケンブリッジ飛鳥「手応え感じた」
10秒16のタイムで2位に入ったケンブリッジ飛鳥選手は「昨シーズンに比べれば走りの内容はよくなってきているのである程度満足している。手応えを感じられたレースになった」と振り返りました。新しくなった国立競技場については「無観客でのレースは残念だったが、雰囲気がとてもよくて走りやすかった。この競技場でオリンピックが行われるのはとても楽しみ」と話していました。
桐生祥秀選手が優勝したことについては「安定感や強さの部分で負けていたと思うが、まだレースは続く。今回負けた分次は勝ち切れるように頑張っていきたい」と話していました。
多田「全体的に課題残った」
10秒37のタイムで6位に終わった多田修平選手は「スタートで置いていかれる展開になってしまったし、それ以外の部分も含めて全体的に課題が残った。もがいて走っているような感じになってしまった。ただ、新しくなった国立競技場で走ることができて雰囲気を感じられたことはよい経験になった。思うような走りができていないので、スタートからの加速や後半、力まないように走ることなど課題に取り組んでいきたい」と話していました。