アメリカの
首都ワシントンで
人種差別の
撤廃を
訴えたキング
牧師の
歴史的な
演説から57
年となる28
日、
現地で
大規模な
集会が
開かれ、ことし5
月に
白人の
警察官に
首を
押さえられ
死亡した
黒人男性の
遺族などが
構造的な
差別の
撲滅を
強く
訴えました。
集会は
首都ワシントンのリンカーン
記念館の
前の
広場で
開かれ、1
万人を
超えるとみられる
人たちが
参加しました。
この場所は1963年8月28日、公民権運動を率いたキング牧師が「私には夢がある」という一節で知られる演説で人種差別の撤廃を訴えたことで知られています。
それから57年となったこの日、集会では公民権運動に参加した指導者や議会議員らとともに、キング牧師の12歳の孫も登壇し、「私たちは構造的な人種差別を完全に終わらせる世代になる」と呼びかけました。
また、ことし5月に中西部ミネソタ州で白人の警察官に首を押さえられて死亡したジョージ・フロイドさんの弟も壇上に立ち、ことばを詰まらせながら「私たちが声をあげたことで本当の変化が起きている。ジョージも空から見ているはずだ」と述べました。
アメリカでは、今月23日に中西部ウィスコンシン州で黒人男性が警察官に背後から銃で7発撃たれたことを受けて人種差別への抗議の声が改めて高まっています。
参加者たちはこのあと、「黒人の命も大切だ」、「沈黙は暴力と同じだ。立ち上がらなければならない」というメッセージを掲げて行進し、構造的な差別の撲滅を強く訴えました。
参加者たちは…
ロサンゼルスから参加した黒人女性は「キング牧師の演説から60年近く経た今もなお、同じ権利を求めなければならないのは残念なことです」と話していました。
近所に住む白人女性は「これは黒人などだけの問題ではなく、国全体の問題です。構造的な差別をなくすために参加しました」と話していました。
63歳の黒人男性は「キング牧師が演説した時、自分はまだ幼くて参加できなかったが、今回は違う。私の年代だけでなく、すべての世代が差別がなくなるまで声をあげるべきだ」と話していました。