韓国の気象庁によりますと、台風9号は3日午前2時20分ごろ、南部のプサン(釜山)に上陸し、北上したあと、午前6時半ごろ、日本海に抜けました。
この台風の影響で、1日の午前0時から3日午前7時までに
▽南部チェジュ島(済州島)のハルラ山(漢拏山)で、1045ミリ、
▽北東部のコソン(高城)で495ミリ、
▽南西部のナムォン(南原)で326ミリの雨が降り、各地で被害が相次いでいます。
韓国政府などによりますと、プサンではマンションの窓ガラスが割れ、その破片に当たった60代の女性が死亡したということです。
また、各地で住宅や道路が浸水したり、農業用ハウスが壊れたりするなど、施設の被害が相次ぎ、これまでに合わせて850件を超える被害の報告が寄せられたほか、27万世帯以上が停電するなどの影響が出たということです。
さらに、韓国メディアは、台風の影響で南部にある4基の原発が停止したと伝えています。
これについて、運営会社などは安全には問題がないとの見方を示していて、詳しい状況を調べているということです。
一方、来週にかけては、今度は、台風10号が韓国にも近づくことが予想されていることから、韓国の気象庁などでは引き続き警戒を呼びかけています。
北朝鮮北東部に上陸 被害も
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、台風9号が3日午前11時すぎに北朝鮮北東部に上陸したと伝えました。
また、北朝鮮国内でも道路が冠水したり農作物が水につかったりする被害が出ていると伝えています。
一方、通常、朝鮮中央テレビは、夜遅くから朝にかけての時間帯は放送が中断されますが、3日の朝にかけては、放送が続けられ、台風9号に関する情報を伝えていました。
こうした異例とも言える対応は先週、台風が上陸した際にもとられていて、台風による被害への強い危機感がうかがえます。