LVMHは、ルイ・ヴィトンをはじめとする75のブランドを傘下に持つ巨大複合企業で、去年11月、ティファニーを総額162億ドル、日本円でおよそ1兆7000億円で買収することで合意していました。
買収はことし11月までに終わらせることになっていましたが、LVMHは9日、計画を撤回すると発表しました。
声明の中で、アメリカ政府がフランス製品に追加の関税をかける懸念があり、フランス政府から買収の期日を延期するよう求められたなどとしています。
そのうえで、こうした状況で計画を完了させることはできないと説明しています。
これに対しティファニーは計画の履行を求めてLVMHをアメリカの裁判所に提訴しました。
LVMHはティファニーの買収によってアメリカ市場に足がかりを得ようとしていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大でファッション業界に打撃が広がったことを受けてことし6月、計画の見直しを検討すると明らかにしていました。