今月4日、
近畿などで
発生した
台風21
号による
高潮について
研究機関が
解析した
結果、
大阪湾の
港では、
上昇した
潮位の
7割にあたる
およそ2メートルの
海水が
猛烈な
風によって
海岸に
吹き
寄せられたことに
加え、
地形的な
影響で
上昇したとみられることがわかりました。
専門家は「
大阪だけでなく
東京湾などでも
同じような
高潮被害が
起きることが
考えられる」と
指摘しています。
今月4日の
台風21
号では、
近畿と
四国を
中心に
高潮が
発生し、
気象庁によりますと、
6の
観測点で、
一時的に
観測史上最も高い潮位を
超えました。
防災科学技術研究所が台風の気圧や風のデータをもとに解析した結果、とくに大阪湾の奥で台風が接近するにつれて水位が上昇していて、通常より潮位が2メートル77センチ上がった大阪港では、このうちおよそ2メートルの海水が海岸に向け猛烈な風が吹き寄せる「吹き寄せ」の影響に加え、湾の奥が浅瀬になっているなどの地形的な影響で上昇したとみられることがわかりました。
残りの70センチ余りは、台風の中心付近の気圧が低いことで海面が上昇する「吸い上げ」の影響によるということです。
また、当時の台風の進路も影響し、より強い風が吹きやすい台風の東側に大阪湾が位置したうえ、南よりの風が湾の奥に吹き続けたことで海水が集まったと分析されています。
防災科学技術研究所の飯塚聡総括主任研究員は「湾の奥は水深が浅いため特に潮位が上がりやすく、今回のような高潮の被害は東京湾や伊勢湾などでも発生すると考えられる。今回と同じような勢力の台風が接近する際は早めの避難を心がけてほしい」と話しています。