貴乃花たかのはな親方おやかたの退職たいしょく認みとめる 日本にっぽん相撲すもう協会きょうかい

これを受うけて相撲すもう協会きょうかいは１いち日にち、東京とうきょう 両国りょうこくの国技こくぎ館かんで臨時りんじの理事りじ会かいを開ひらきました。協会きょうかい関係かんけい者しゃによりますと、理事りじ会かいでは貴乃花たかのはな部屋へやの力士りきしなど10人にんの千賀ちかノ浦うら部屋へやへの移籍いせきについて審議しんぎし承認しょうにんしたあと、退職たいしょくを届け出とどけでていた貴乃花たかのはな親方おやかたの退職たいしょくについても認みとめました。

これで、優勝ゆうしょう22回かいの平成へいせいの大だい横綱よこづなが角界かくかいを去さることが正式せいしきに決きまりました。

貴乃花たかのはな親方おやかた「ご厚情こうじょうに感謝かんしゃ」ホームページに

貴乃花たかのはな親方おやかたは、１いち日にち、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの臨時りんじの理事りじ会かいで退職たいしょくが認みとめられる前まえに、部屋へやの後援こうえん会かいのホームページに「皆様みなさまへの感謝かんしゃ」などと題だいしたコメントを掲載けいさいしました。

この中なかでは、「大相撲おおずもうファンの皆様みなさまの辞やめるなの声こえも受け入うけいれず突然とつぜんの引退いんたい会見かいけんをし、ご心配しんぱいをかけてばかりでの人生じんせいで申し訳もうしわけないことばかりです。しかしながら弟子でしたち将来しょうらいの展望てんぼうが楽たのしみでなりません。厳きびしく育そだててきてここで師匠ししょうが引退いんたいしてしまう事態じたいになり、可愛かわいい子こには苦労くろうをさせろ、ということになってしまいました。それでも私わたしの弟子でしたちは、真摯しんし（しんし）に理解りかいをしてくれております」としたうえで、「大相撲おおずもうファンの皆様みなさま、貴乃花たかのはな部屋へやの支援しえん者しゃの皆様みなさまの貴乃花たかのはなへ対たいするご厚情こうじょうには、感謝かんしゃの言葉ことばしか見当みあたりません。大だい相撲すもうは不滅ふめつです。土俵どひょうは必かならず日本にっぽん国こくの遺産いさんとして遺のこります。どうか千賀ちかノ浦うら部屋へやのご支援しえんご後援こうえんを賜たまわれますようにお願おねがい申し上もうしあげます」などと、感謝かんしゃや大だい相撲すもうに対にたいする思おもいを掲載けいさいしています。

貴乃花たかのはな親方おやかた 退職たいしょくまでの動うごき

元もと横綱よこづな貴乃花たかのはなの貴乃花たかのはな親方おやかたは46歳さい。現役げんえき時代じだいは兄あにの元もと横綱よこづな若乃花わかのはなとともに「若貴わかたかフィーバー」と呼よばれる空前くうぜんの相撲すもう人気にんきをつくり、史上しじょう６ろく位いとなる22回かいの優勝ゆうしょうを果はたしました。

平成へいせい15年ねん初場所はつばしょで引退いんたいしたあと、大だい相撲すもうの発展はってんに大おおきく貢献こうけんしたとして現役げんえきのしこ名しこなのまま親方おやかたになれる一いち代だい年寄としよりを贈おくられ、平成へいせい16年ねんに父ちちの二子山ふたごやま部屋へやを貴乃花たかのはな部屋へやとして継ついだあと、師匠ししょうとして貴たかノ岩いわや貴き景勝けいしょうなどの関取せきとりを育そだてました。

また、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの理事りじを４よん期き連続れんぞくで務つとめていましたが、巡業じゅんぎょう部長ぶちょうだった去年きょねん10月つきに起おきた元もと横綱よこづな日馬くさま富士ふじの傷害しょうがい事件じけんをめぐる対応たいおうが問題もんだい視しされ、ことし１月いちがつに理事りじを解任かいにんされました。

その後そのご、ことし３月さんがつ、内閣ないかく府ふに対にたいして、相撲すもう協会きょうかいの危機きき管理かんり委員いいん会かいの調査ちょうさは公正こうせい中立ちゅうりつではない、法的ほうてきには理事りじを解任かいにんする理由りゆうにはあたらないなどとして告発こくはつ状じょうを提出ていしゅつしました。

しかし、春場所はるばしょ中ちゅうに起おきた弟子でしの貴公きこう俊しゅんの暴行ぼうこう問題もんだいを受うけて告発こくはつ状じょうを取り下とりさげ、相撲すもう協会きょうかいから弟子でしの監督かんとく責任せきにんを問とわれ親方おやかたとして最もっとも下したの階級かいきゅうである「年寄としより」への降格こうかく処分しょぶんを受うけました。３月さんがつ末まつからは審判しんぱん部ぶに配属はいぞくされ、土俵どひょう下かで審判しんぱんを務つとめていました。

そのうえで、「今後こんごは一いち兵卒へいそつとしてゼロからスタートし弟子でしの育成いくせいに集中しゅうちゅうする」などとして４月しがつにみずから立たち上あげた「貴乃花たかのはな一門いちもん」の名称めいしょうの変更へんこうを申し出もうしでたあと、６月ろくがつには一門いちもんを離脱りだつして無所属むしょぞくとなりました。

一方いっぽうで、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは７月しちがつの理事りじ会かいで「すべての親方おやかたは現在げんざい５いつつある一門いちもんに所属しょぞくすること」という規程きていを決議けつぎし、先月せんげつ27日にちの理事りじ会かいまでに各かく親方おやかたに対にたいして所属しょぞく先さきを決きめるように求もとめていましたが、すべての親方おやかたのうちただ１いち人にん、所属しょぞくする一門いちもんのめどが立たっていませんでした。

こうした中なか、貴乃花たかのはな親方おやかたは先月せんげつ25日にち、突然とつぜん、退職たいしょくを届け出とどけでる文書ぶんしょを相撲すもう協会きょうかいに提出ていしゅつしていました。

貴乃花たかのはな部屋へやとは

貴乃花たかのはな親方おやかたが師匠ししょうを務つとめていた貴乃花たかのはな部屋へやは、東京とうきょう江東こうとう区くにあります。

貴乃花たかのはな親方おやかたは平成へいせい16年ねんに当時とうじ東京とうきょう 中野なかの区くにあった二子山ふたごやま部屋へやから部屋へやを継承けいしょうし、その後そのご、おととし、今いまの江東こうとう区くの部屋へやに移転いてんしました。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいによりますと、貴乃花たかのはな部屋へやには力士りきしや床山とこやまなど合あわせて10人にんが所属しょぞくしています。このうち幕内まくうちは、秋場所あきばしょで小結こむすびの貴き景勝けいしょうと西にし前頭まえがしら13枚まい目めの貴たかノ岩いわの２に人にんです。また、秋場所あきばしょで十じゅう両りょうの貴き源治げんじは、幕下まくしたの貴公きこう俊しゅんの双子ふたごの弟おとうとです。

１いち日にち、千賀ちかノ浦うら部屋へやへの移籍いせきが決きまり、この10人にんが移うつることになります。

協会きょうかい 平成へいせいの大だい横綱よこづなの経験けいけんや人気にんき失うしなうことに

貴乃花たかのはな親方おやかたは、去年きょねん秋あきに起おきた元もと横綱よこづな日馬くさま富士ふじによる弟子でしの貴たかノ岩いわに対にたいする傷害しょうがい事件じけんを発端ほったんに、相撲すもう協会きょうかいに対にたいして対立たいりつする姿勢しせいを続つづけてきましたが、功績こうせきを評価ひょうかする声こえもあります。

相撲すもう界かいがいわゆる八百長やおちょう問題もんだいなどで揺ゆれたあとファン離ばなれが懸念けねんされた平成へいせい24年ねんの春場所はるばしょでは、理事りじとして担当たんとう部長ぶちょうを務つとめ、みずからさまざまなイベントやテレビの番組ばんぐみに出演しゅつえんし、相撲すもう界かいへの信頼しんらいと人気にんきの回復かいふくに奔走ほんそうしました。

また、部屋へやの師匠ししょうとして厳きびしい稽古けいこで小結こむすびの貴き景勝けいしょうや貴たかノ岩いわなどの関取せきとりも育そだてました。

この春はるからは審判しんぱん部ぶに配属はいぞくされ土俵どひょう下かで審判しんぱんを務つとめていて、場内じょうないのアナウンスで紹介しょうかいを受うける際さいには力士りきしにひけを取とらない声援せいえんと拍手はくしゅを受うけるなど人気にんきは別格べっかくでした。

さらに横綱よこづな経験けいけん者しゃだからこその発言はつげんは貴重きちょうなものでした。

休場きゅうじょうが続つづいた横綱よこづな稀まれ勢ぜいの里さとが８はち場所ばしょ連続れんぞく休場きゅうじょうから復活ふっかつをかけた場所ばしょでふた桁けた10勝しょうを挙あげたことについては、「よく２に桁けた勝かった。今こん場所ばしょは出でたことに意義いぎがある」と評価ひょうかするなど、みずからも横綱よこづなとして長期間ちょうきかんにわたって休場きゅうじょうした経験けいけんを持もつ親方おやかたの言葉ことばには説得せっとく力りょくがありました。

大だい相撲すもうでは平成へいせい以降いこうに昇進しょうしんした横綱よこづな10人にんのうち、すでに現役げんえきを引退いんたいした横綱よこづなは７なな人にん。貴乃花たかのはな親方おやかたの退職たいしょくで、ともに一いち時代じだいを築きずいた横綱よこづな曙あけぼのと若乃花わかのはなを含ふくむ５ご人にんが角界かくかいを離はなれたことになります。

相撲すもう協会きょうかいは、優勝ゆうしょう22回かいを成し遂なしとげた平成へいせいの大だい横綱よこづなの経験けいけんのほか、今いまなお残のこる絶大ぜつだいな人気にんきと知名ちめい度どという貴重きちょうな財産ざいさんを失うしなうことになりました。