領海への侵入は、8年前に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長く、海上保安本部は直ちに領海から出るよう警告しています。第11管区海上保安本部によりますと、中国海警局の船2隻が11日の午前11時前、尖閣諸島の大正島の沖合で日本の領海に侵入しました。
2隻は日本の漁船に接近する動きを見せるなどして航行を続け、13日午前2時すぎには領海への侵入が39時間余りを超えて、8年前に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長くなりました。
2隻は、13日午前9時現在、大正島の南南東およそ7キロから南南西およそ14キロにいて、海上保安本部は直ちに領海から出るよう警告を続けるとともに、周囲に巡視船を配備して警戒を強めています。
加藤官房長官「冷静かつ、きぜんと対応」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「中国公船2隻は、現在も領海内にとどまっている。丸2日を超えて、こうした状況が続いており、誠に遺憾だ」と述べたうえで、現場海域では、海上保安庁の巡視船が繰り返し退去を求めるとともに、日本漁船の周囲に巡視船を配備し、安全を確保していると説明しました。
そして加藤官房長官は、東京と北京の外交ルートを通じて繰り返し中国側に厳重に抗議しているとしたうえで、「引き続き緊張感をもって、わが国の領海、領土、領空を断固として守り抜くという方針のもと、尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を期すとともに、中国側に対しては、冷静かつ、きぜんと対応していきたい」と述べました。
岸防衛相「断じて容認できず 自制を」
岸防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「わが国の抗議にもかかわらず領海への侵入を繰り返しており、断じて容認できない。事態をいたずらにエスカレートさせないよう、冷静な対応を継続しつつ、関係省庁と連携して警戒監視や情報収集に万全を期していきたい。中国側には、緊張を高めるような、あらゆる行動の自制を求めていく」と述べました。