警察によりますと、これまでに20人の死亡が確認され、26人がけがをしたということです。
銃を乱射した男はかけつけた警察官にその場で拘束されました。警察によりますと、男はテキサス州ダラス近郊出身の21歳の白人男性だということです。
複数のメディアは、この男の名前はパトリック・クルシウス容疑者であると伝えています。
施設周辺には当時、1000人以上の買い物客らがいたということで、地元メディアは目撃者の話として、男は黒い服に耳当てをして、客に向かって銃を撃ちゆっくりとした足取りで店内に入っていったと伝えています。
エルパソ市の警察本部長は3日夜に行った会見で、インターネット上に男が投稿したとされるヒスパニック系の移民への敵意を記した文書について、捜査をしていることを認め、「本当に男が投稿したものか確認ができておらず、詳細は控えたい」と述べました。
そして人種や宗教に対する偏見に基づく犯罪=ヘイトクライムの可能性について問われると、「さまざまな可能性が考えられるが、ヘイトクライムもその一つだ」と述べ、慎重に調べを進める方針を示しました。
エルパソ80%余はヒスパニック系
テキサス州のエルパソは、メキシコとの国境を流れるリオ・グランデ川の北岸に位置する街です。
銃撃事件の現場となった商業施設は、トランプ大統領が不法移民対策として建設を進めている国境沿いの壁からはおよそ5キロの地点にあります。
エルパソの人口はおよそ83万人で、国境と接していることから移民が多く、80%余りはヒスパニック系です。
メキシコ政府は、今回の銃撃事件の死者の中に3人のメキシコ人が含まれ、6人がけがをしたことを明らかにしています。
トランプ大統領「臆病者による行為」
アメリカのトランプ大統領はツイッターで「テキサス州エルパソでの銃撃事件は、悲劇的というだけでなく臆病者による行為だった。私は、この国のすべての人々とともに、きょうの憎むべき事件を非難する。何の罪もない人たちが殺されることを正当化する理由や言い訳は存在しない」と書き込みました。
銃による死者ことしに入って8700人に
3億丁もの銃が流通していると言われるアメリカでは、銃撃事件があとを絶たず、ことしに入って銃によって死亡した人は、自殺を除いておよそ8700人に上っています。
同じテキサス州では、2017年に教会で男が銃を乱射して1歳半の幼児を含む26人が死亡したほか、去年5月には、高校で当時17歳の男子生徒が銃を乱射して、生徒ら10人が死亡しました。
また、ことし5月には、アメリカ南部バージニア州にある市の行政窓口などが入った建物で、市の職員の男が銃を乱射し、12人が死亡しました。
そして、先月28日には、アメリカ西部カリフォルニア州のフードフェスティバルの会場で、男が銃を乱射し、3人が死亡、12人がけがをしました。
さらに、先月30日には、アメリカ南部ミシシッピ州の「ウォルマート」で、停職処分となっていた従業員の男が銃を発砲し、2人が死亡しました。
銃による被害の情報を集めている非営利団体、「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によりますと、アメリカではことしに入って、今月3日までに銃によって死亡した人は、自殺を除いておよそ8700人に上っています。