静岡県浜松市の
認可保育所で、
保育士など18
人がパワーハラスメントなどを
理由に
一斉に
退職届を
提出した
問題で、
浜松市は、
退職が
実現した
場合、
認可保育所として
国の
基準を
満たさなくなり、
子どもが
転園を
余儀なくされる
事態が
懸念されるとして、
具体的な
対応を
文書で
報告するよう
園側に
求めています。
浜松市西区に
ある認可保育所「メロディー
保育園」では、11
日に
保育士17
人と
栄養士1人の
合わせて18
人が
園長などからのパワハラやセクハラを
理由に
一斉に
今月28
日付けの
退職届を
提出しました。
認可保育所は「0歳児3人に保育士1人」など国の設置基準が定められていて、市によりますと、この保育園では今月1日の時点で0才から5才までの142人に対し、「常勤の保育士17人」を8人上回る、25人の常勤の保育士がいるということです。
ところが17人の保育士が退職すれば、残りの保育士は8人となり、基準を大きく下回るため、受け入れ可能な子どもの数は大幅に減り、子どもが転園を余儀なくされる事態が懸念されるとしています。
さらに近くの保育所に空きがあるところは限られ、混乱も予想されることから、市は今月16日までに今後の具体的な対応を文書で報告するよう園側に求めています。
「メロディー保育園」の高部志保子園長は、運営を継続させるため、退職を申し出た保育士に園にとどまるよう説得しているとしたうえで、「問題については対応してきたつもりだが至らない点もあったと思う。保護者や子どもに迷惑をかけないよう努めます」と述べました。
「行政が保育の質と安全確保を」
保育に関する国の検討会のメンバーを務める「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは、NHKの電話取材に対し、「保育士不足の中、質の悪い保育施設から保育士が一斉に退職するケースは全国で相次いでいるが子どもが保育所を移る事態になれば、保護者の通勤の距離や子どもの生活習慣などに大きな負担がかかることになる。運営が継続されても保育士が一斉に変われば子どもの心理的な影響も心配される」と指摘しています。
そのうえで、行政はこれまで施設の数や規模のみを拡大させてきた責任があるとして「行政が保育の質と安全を確保すべきだ」としています。