アメリカ国防総省は29
日、イランが
支援する
武装組織がイラクやシリアに
築いていた
5か所の
拠点に
攻撃を
行ったことを
明らかにしました。イラク
北部で
今月27
日にアメリカ
軍の
兵士らが
駐留する
基地が
ロケット弾攻撃を
受けたことへの
報復だとしていて、アメリカとイランとの
間で
緊張がさらに
高まる可能性もあります。
アメリカ国防総省のホフマン
報道官は29
日に
声明を
発表し、イランが
支援する
イスラム教シーア
派の
武装組織「カタイブ・ヒズボラ」がイラクとシリアに
築いていた
武器庫や
指揮所など合わせて
5つの
拠点に対して
精密攻撃を
行ったと
明らかにしました。
イラクでは今月27日に北部のキルクーク近くにあるイラク軍基地に30発以上のロケット弾が打ち込まれ、駐留するアメリカ国籍の民間人1人が死亡したほか、アメリカ軍の兵士4人がけがをしていて、今回の攻撃はこれに対する報復措置だとしています。
声明の中でホフマン報道官は「『カタイブ・ヒズボラ』はイランの部隊と強いつながりを持っており、アメリカ軍が主導する有志連合に対する攻撃のための支援をイランから繰り返し受けている」と指摘しました。
そのうえで「イランやその代理勢力は、アメリカ軍からのさらなる措置を受けたくなければアメリカなどに対する攻撃をやめなければならない」とイランを名指しして非難し、アメリカとイランとの間で緊張がさらに高まる可能性もあります。
イラク国防省 米の攻撃非難「主権侵害だ」
イラク国防省は今回のアメリカ軍の攻撃について声明を発表し、西部のアンバール県で過激派組織IS=イスラミックステートに対する作戦に参加していた民兵組織の部隊が3回にわたりアメリカ軍の空爆を受け、4人が死亡し、30人がけがをしたとしています。
イラク軍の最高司令官を務める首相の報道官は「イラクの主権に対する侵害であり、イラクと地域の安定を脅かす危険な行動だ」として、アメリカの攻撃を非難する声明を発表しました。
イラクでは大規模な反政府デモが続く中、アブドルマハディ首相が今月1日に辞任するなど混乱が広がっていて、イラクを舞台にしたアメリカとイランの対立が深まる懸念も指摘されています。