去年、
中国の
研究者が「ゲノム
編集」と
呼ばれる
技術で、
遺伝情報を
書き換えた
受精卵から
双子を
誕生させた
問題で、
中国の
裁判所は、
この研究者に
懲役3年の
判決を
言い渡しました。
去年11
月、
中国南部※
深センに
ある南方科技大学の
賀建奎
元准教授は、「ゲノム
編集」と
呼ばれる
技術で、エイズウイルスに
感染しないよう
遺伝情報を
書き換えた
受精卵から
双子を
誕生させたと
発表しました。
中国の当局は調査の結果、子どもの誕生を確認し、賀元准教授は捜査機関の調べを受けていました。
これについて、国営の新華社通信は30日、深センの裁判所が賀元准教授に対し、違法な医療行為を行った罪で、懲役3年の実刑と300万人民元、日本円で4700万円相当の罰金を言い渡したと伝えました。
賀元准教授は、2人の医療関係者とともに、夫がエイズウイルスに感染した夫婦を募集したうえで、ゲノム編集技術を使って2人の女性を妊娠させ、合わせて3人の子どもを誕生させたとされています。
その際、倫理的な手続きに必要な書類も偽造したとしています。賀元准教授らは、いずれも罪を認めているということです。
裁判所は、「3人は名誉と利益のためわざと国の規定に違反した。科学的な研究と医学倫理の一線を越えており、医療管理の秩序を混乱させた」と厳しく指摘しています。
この問題をきっかけに、ゲノム編集の法的な規制や管理のための枠組み作りを求める声が国際的に強まるなど、大きな波紋が広がりました。
※深セン=土偏に川