中国の保健当局の新型コロナウイルスの専門家チームのトップで、2003年に中国で新型肺炎「SARS」の感染が広がった際に、当時の政府の対応を批判するなどしたことで知られる鍾南山チーム長が、20日夜、中国中央テレビのインタビューに答えました。
この中で鍾チーム長は「現在出現している新型コロナウイルスは、『SARS』や『MERS』とは性質が全く異なるウイルスだ。感染は始まったばかりで坂を上っているような状況なので感染力や毒性はそこまで強くない。一方で、この病気は始まったばかりの段階なので今の致死率を全面的に説明することはできない。この病気がどう発展していくか見なければならない」と述べました。
そのうえで「武漢でも2つの地区での発症が全体の45%を占めている。2つの地区には比較的規模の大きい海鮮市場があり、感染源が何かはまだ基本的には分からないが、さまざまな調査から見て海鮮ではなく食材として売られていた野生動物の可能性が大きい。例えばタケネズミやアナグマのようなものだ」と述べました。
また鍾チーム長は感染拡大の防止策として特別な事情がないかぎり武漢には行かないことや、かぜを引いたら病院に行くこと、またウイルスは飛まつの中に存在するため、マスクを着用することなどを呼びかけていました。