この中で2社は、過去にも乗務前のアルコール検査で社内の基準値を超えるケースがたびたび起きていたことを明らかにしました。
このうち日本航空はグループ会社を含め基準を超えたケースが24件あり、最大で基準の2.5倍のアルコールが検出されていました。
また、全日空でも、ことし4月までの5年間で、基準を超えたケースが8件あったということです。
会社側は、アルコールに関する自己管理に組織として強く関与する必要があったとしていて、全日空では、日頃からアルコールの影響をみずから把握できるようすべてのパイロットに携帯式の感知器を貸し出すといった対策をとることにしています。
また、日本航空もアルコールの影響で精神面や健康状態に何らかの兆候が見られる社員に対し、継続的なサポートや指導を行うとしています。
各社の報告書では
全日空の報告書によりますと、諭旨退職となったグループ会社の元機長は、乗務の前日の夜に記憶を失うほど酒を飲んでいたということです。
それによりますと、元機長は滞在先の沖縄県石垣市の飲食店で、午後5時ごろから同期の機長と酒を飲みながら食事をしていました。
2軒目の店で、飲み始めからビールやハイボールを6杯ほど飲んだ午後7時ごろを境に記憶がなくなったと話しているということです。
その後、4軒目の飲食店では、元機長の行方が分からなくなり、エレベーターホールの近くで泥酔して寝ているところを店員が見つけました。
元機長や飲食店などの証言では、この夜、ビールやハイボール、泡盛合わせて11杯を注文しているということです。
ホテルに戻ったあともめいてい状態でホテル内を歩き回り、別の部屋の扉を開けようとしている姿が目撃されていて、自分の部屋に戻ったのはおよそ1時間後でした。
一方、日本航空によりますと、イギリスで乗務の直前に逮捕された副操縦士は、機長への昇格などの悩みを抱えていた可能性があるほか、腰痛のため乗務をキャンセルすることもあり、ふだんから飲酒量が多いという情報があったということです。