「カルロス・ゴーン・ビシャラ」
ゴーン前会長は勾留の理由を明らかにする手続きの冒頭で裁判官から氏名などを確認されると「カルロス・ゴーン・ビシャラ」と答えていました。裁判官が職業について会社役員で間違いないかたずねると、通訳を介して英語で「そのとおりです」と答えていました。
勾留理由の説明
ゴーン前会長の勾留の理由について東京地方裁判所の多田裕一裁判官は、「証拠隠滅を疑うに足りる相当の理由があるうえ、国外に逃亡する疑いがあることなどから勾留には正当性がある」などと説明しました。
弁護士「正当な対価」
ゴーン前会長の弁護士は日産の資金16億円余りをサウジアラビア人の実業家の会社に不正に支出させた疑いについて「紛争の解決などに対する正当な対価だ」と述べました。
ゴーン前会長 無罪を主張
特別背任の容疑で再逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は勾留の理由を明らかにする手続きでみずから出廷し、「捜査機関からかけられている容疑がいわれのないものだということを明らかにしたい」と述べ、無罪を主張しました。
「公明正大かつ合法的に業務」
ゴーン前会長は「日産に心からの親愛と感謝の気持ちを持っている。日産のために全力を尽くし、公明正大かつ合法的に業務を進めてきた」と述べました。
「日産に損害を与えていない」
ゴーン前会長は巨額の含み損を抱えた私的な為替取引の権利を日産に付け替えた疑いについて、経緯を述べたうえで、「日産に損害を与えていない」と主張しました。
実業家への「支出」については
ゴーン前会長は日産の資金16億円余りをサウジアラビア人の実業家の会社に不正に支出させた疑いについて「実業家は長年にわたる日産のパートナーであり支援者だった。資金調達や紛争解決などを行ってくれたため、日産の関係部署と相談して相当の金額の対価を支払った」と述べました。
「訴追は全くの誤り」
ゴーン前会長は有価証券報告書にみずからの報酬を実際より少なく記載していたとされる疑いについては「検察による訴追は全くの誤りです。社外弁護士に承認されていると 理解していました。私に違法の認識がなかったことは理解してもらえると思います。答えは明白にノーです」と主張しました。
「私は無実です」
ゴーン前会長は意見陳述の最後に「私は20年間、日産の復活にあたってきた。昼夜問わず、飛行機の中でも日産の従業員と肩を並べながらやった。GTーRなども復活させた。ブラジルなどにも進出した。三菱自動車ともアライアンスをして世界第一になった。無数の雇用も創出した。これらの成果は私にとっての喜び。裁判長、私は無実です。常に誠実にやってきた。これまで不正をしたことはない。根拠もなく、容疑をかけられ、不当に勾留されている」と述べ改めて無罪を主張しました。
山下法相「所感を述べることは差し控えたい」
特別背任の容疑で再逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の勾留の理由を明らかにする手続きについて、山下法務大臣は記者会見で「個別事件における裁判官の判断に関することなので、大臣として所感を述べることは差し控えたい」と述べました。