ゴーン前ぜん会長かいちょう 保釈ほしゃく再度さいど認みとめず 勾留こうりゅうさらに長期ちょうき化かの見通みとおし

日産にっさん自動車じどうしゃの前ぜん会長かいちょう、カルロス・ゴーン被告ひこく（64）は、私的してきな損失そんしつの信用しんよう保証ほしょうに協力きょうりょくしたサウジアラビア人じんの実業じつぎょう家かの会社かいしゃに12億おく8000万まん円えん余あまりを不正ふせいに支出ししゅつさせたなどとして、今月こんげつ11日にち、特別とくべつ背任はいにんなどの罪つみで東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶに追つい起訴きそされました。

ゴーン前ぜん会長かいちょうの弁護士べんごしは東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょに直ただちに保釈ほしゃくを請求せいきゅうしましたが却下きゃっかされ、弁護士べんごしは今月こんげつ18日にちに改あらためて保釈ほしゃくを請求せいきゅうしていましたが、裁判所さいばんしょは22日にち、２に回かい目めの請求せいきゅうに対にたいしても保釈ほしゃくを認みとめない決定けっていをしました。

関係かんけい者しゃによりますと、ゴーン前ぜん会長かいちょう側がわは最初さいしょの保釈ほしゃく請求せいきゅうではフランスへの出国しゅっこくを希望きぼうしていましたが、２に回かい目めの請求せいきゅうでは国内こくないの住居じゅうきょにとどまる意向いこうを示しめしていたということです。

また、前ぜん会長かいちょうは保釈ほしゃくされれば逃亡とうぼうを防ふせぐため位置いち情報じょうほうを知しらせる装置そうちを身みにつけ、検察庁けんさつちょうに毎日まいにち出頭しゅっとうするなどとして声明せいめいを発表はっぴょうし、「裁判所さいばんしょが正当せいとうだと考かんがえるすべての保釈ほしゃくの条件じょうけんを尊重そんちょうする」などと早期そうきの保釈ほしゃくを訴うったえていました。

しかし、裁判所さいばんしょは特捜とくそう部ぶや弁護士べんごしから改あらためて意見いけんを聞きいて検討けんとうを進すすめた結果けっか、関係かんけい者しゃとの口裏くちうら合あわせなど証拠しょうこ隠滅いんめつのおそれは払拭ふっしょく（ふっしょく）できないと判断はんだんしたものとみられます。

ゴーン前ぜん会長かいちょうは、去年きょねん11月つきの最初さいしょの逮捕たいほから22日にちまで65日間にちかん身柄みがらを拘束こうそくされていて、弁護士べんごしは不服ふふくとして準じゅん抗告こうこくの手続てつづきを取とるとみられますが、裁判所さいばんしょが退しりぞければ勾留こうりゅうはさらに長期ちょうき化かする見通みとおしになりました。

日産にっさん「コメントする立場たちばにない」

裁判所さいばんしょの決定けっていについて日産にっさんの広報こうほう部ぶは「司法しほうの判断はんだんなのでコメントする立場たちばにない」としています。

２に回かい目めの保釈ほしゃく請求せいきゅう 前回ぜんかいとの違ちがいは

捜査そうさ段階だんかいで最大さいだい20日間にちかんまで認みとめられる勾留こうりゅうは、起訴きそされたあとも原則げんそくとして２にか月かげつ間かん認みとめられ、その後そのごも必要ひつように応おうじて１いちか月かげつごとに更新こうしんされます。

これに対にたいし、弁護べんご側がわは回数かいすうに制限せいげんなく何なん度どでも保釈ほしゃくを請求せいきゅうすることができますが、裁判所さいばんしょが保釈ほしゃくを認みとめるかどうかは、逃亡とうぼうや証拠しょうこ隠滅いんめつのおそれがないかどうかが判断はんだんの重要じゅうようなポイントになります。

関係かんけい者しゃによりますと、ゴーン前ぜん会長かいちょうの弁護士べんごしは保釈ほしゃく後ごの住居じゅうきょについて、最初さいしょの保釈ほしゃく請求せいきゅうではフランス政府せいふが作成さくせいした「裁判所さいばんしょの求もとめがあれば出頭しゅっとうさせる」などという内容ないようの文書ぶんしょを提出ていしゅつしたうえで、日本にっぽん国内こくないではなくフランスに住すむことを希望きぼうしていたということです。

しかし、２に回かい目めの請求せいきゅうでは条件じょうけんを変かえ、日本にっぽん国内こくないの住居じゅうきょにとどまる意向いこうを示しめしていたということです。

またゴーン前ぜん会長かいちょうは20日にち、代理人だいりにんを通をつうじて「裁判所さいばんしょが正当せいとうだと考かんがえるすべての保釈ほしゃくの条件じょうけんを尊重そんちょうする」という声明せいめいも発表はっぴょうし、早期そうきの保釈ほしゃくを訴うったえていました。

しかし裁判所さいばんしょはこうした条件じょうけんの違ちがいなども慎重しんちょうに検討けんとうしたうえで、関係かんけい者しゃとの口裏くちうら合あわせなど証拠しょうこ隠滅いんめつのおそれを払拭ふっしょく（ふっしょく）できないと判断はんだんしたものとみられます。

捜査そうさの経緯けいい

日産にっさん自動車じどうしゃのカルロス・ゴーン前ぜん会長かいちょうが最初さいしょに逮捕たいほされたのは去年きょねん11月つき19日にち。平成へいせい26年度ねんどまでの５ご年間ねんかんのみずからの報酬ほうしゅうを有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこく書しょに48億おく円えん余あまり少すくなく記載きさいしたとして、側近そっきんのグレッグ・ケリー前ぜん代表だいひょう取締役とりしまりやくとともに金融きんゆう商品しょうひん取引とりひき法ほう違反いはんの疑うたがいで東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶに逮捕たいほされました。

ゴーン前ぜん会長かいちょうは先月せんげつ10日にちに起訴きそされ、昨年度さくねんどまで直近ちょっきん３さん年間ねんかんの報酬ほうしゅうも42億おく円えん余あまり少すくなく記載きさいした疑うたがいで再さい逮捕たいほされます。

勾留こうりゅうが続つづき、海外かいがいメディアなどが批判ひはんを強つよめる中なか、先月せんげつ20日にち、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょはこの再さい逮捕たいほの容疑ようぎについて検察けんさつが求もとめた勾留こうりゅうの延長えんちょうを認みとめない異例いれいの決定けっていをし、一時いちじ、ゴーン前ぜん会長かいちょうが保釈ほしゃくされる可能かのう性せいが高たかまりました。

しかし特捜とくそう部ぶは翌よく21日にち、私的してきな為替かわせ取引とりひきでの損失そんしつをめぐって日産にっさんに損害そんがいを与あたえた特別とくべつ背任はいにんの疑うたがいで、急きゅうきょ、ゴーン前ぜん会長かいちょうの再さい逮捕たいほに踏み切ふみきります。

報酬ほうしゅうの過少かしょう記載きさいの疑うたがいでともに逮捕たいほされたケリー前ぜん代表だいひょう取締役とりしまりやくは先月せんげつ25日にちに保釈ほしゃくされましたが、ゴーン前ぜん会長かいちょうについては今月こんげつ11日にちまでの勾留こうりゅうが認みとめられました。

こうした中なか、ゴーン前ぜん会長かいちょうは今月こんげつ８はち日にち、勾留こうりゅうの理由りゆうを明あきらかにする手続てつづきに出廷しゅっていして最初さいしょの逮捕たいほ以降いこう、初はじめて公開こうかいの場ばに姿すがたを現あらわし「I am innocent＝私わたしは無実むじつだ」などと全面ぜんめん的てきに無罪むざいを主張しゅちょうしました。

特捜とくそう部ぶは今月こんげつ11日にち、ゴーン前ぜん会長かいちょうを特別とくべつ背任はいにんなどの罪つみで追つい起訴きそし、弁護士べんごしは直ただちに最初さいしょの保釈ほしゃくを裁判所さいばんしょに請求せいきゅうしました。

しかし裁判所さいばんしょは今月こんげつ15日にちに保釈ほしゃくを認みとめない決定けっていを出だし、弁護士べんごしの準じゅん抗告こうこくも退しりぞけました。

このため弁護士べんごしは保釈ほしゃく後ごの住居じゅうきょなどの条件じょうけんを変かえて今月こんげつ18日にちに改あらためて保釈ほしゃくを請求せいきゅうしていました。