インフル対策たいさく “紅茶こうちゃや緑茶りょくちゃが効果こうか的てき”は本当ほんとう？

研究けんきゅう者しゃ「行き過いきすぎた解釈かいしゃくはしないで」

紅茶こうちゃとインフルエンザウイルスについては紅茶こうちゃの製造せいぞう・販売はんばいを行おこなう三井みつい農林のうりんが研究けんきゅう結果けっかをホームページで公開こうかいしています。

研究けんきゅうは紅茶こうちゃや緑茶りょくちゃ、ココアなどの抽出ちゅうしゅつ液えきに、インフルエンザウイルスを高こう濃度のうどに増殖ぞうしょくさせた液えきを混まぜて試験管しけんかんの中なかで一定いってい時間じかん反応はんのうさせるもので紅茶こうちゃで99％、緑茶りょくちゃで97％、ココアで91％のインフルエンザウイルスについて、感染かんせん力りょくを弱よわめることができました。

この結果けっかについて三井みつい農林のうりんＲあ-る＆Ｄでぃ-グループ基礎きそ開発かいはつチームの田中たなか裕子ゆうこ研究けんきゅう員いんは「試験管しけんかんなどの実験じっけんでウイルスの感染かんせん力りょくを奪うばう力ちからが強つよいことがわかったもので、人ひとの治験ちけんでインフルエンザの感染かんせんを予防よぼうできるというデータは取とれていない」と話はなしています。

そのうえで「『インフルエンザの感染かんせんを紅茶こうちゃで完全かんぜんに防ふせげる』とか『インフルエンザが紅茶こうちゃで治なおる』といった行き過いきすぎた解釈かいしゃくはしないでほしい。ワクチンの接種せっしゅなどの対策たいさくが大切たいせつで、生活せいかつの中なかに紅茶こうちゃを取り入とりいれて体調たいちょう管理かんりに役立やくだててほしい」などとして、人ひとへの感染かんせんを防ふせぐことを示しめした研究けんきゅうではないことを強調きょうちょうしていました。

緑茶りょくちゃは？「ワクチンや手洗てあらいなどと合あわせて行いって」

緑茶りょくちゃについては大手おおて飲料いんりょうメーカー・伊藤園いとうえんがホームページ上じょうで静岡しずおか県立けんりつ大学だいがくと共同きょうどうで行おこなった調査ちょうさ結果けっかを公開こうかいしています。

調査ちょうさは平成へいせい21年ねん11月つきから平成へいせい22年ねん４月しがつにかけて、同おなじ医療いりょう施設しせつの職員しょくいんおよそ200人にんを２ふたつのグループに分わけて、１ひとつのグループには緑茶りょくちゃの代表だいひょう的てきな成分せいぶんである「カテキンやテアニンなどが含ふくまれたカプセル」を、別べつのグループには「こうした成分せいぶんが含ふくまれていないカプセル」をそれぞれ５ごか月かげつ間かん摂取せっしゅしてもらい、インフルエンザに感染かんせんした割合わりあいを比くらべたものです。

カテキンはお茶おちゃ２に、３さん杯はい分ぶんほど、テアニンは10杯はい分ぶんほどに当あたります。

その結果けっか「カテキンなどが含ふくまれたカプセル」を摂取せっしゅしたグループは97人にん中ちゅう４よん人にんが感染かんせん、もう一方いっぽうのグループでは、99人にん中ちゅう13人にんが感染かんせんし、研究けんきゅうグループではカテキンなどを摂取せっしゅしたグループのほうが感染かんせんした割合わりあいが少すくないことなどから、お茶おちゃを積極せっきょく的てきに飲のむことがインフルエンザの予防よぼうに有効ゆうこうな可能かのう性せいがあるとしています。

研究けんきゅうにあたった静岡しずおか県立けんりつ大学だいがく薬学部やくがくぶの山田やまだ浩ひろし教授きょうじゅは「緑茶りょくちゃを飲のんだからといって感染かんせんしないというわけではない。ワクチン接種せっしゅや手洗てあらいといった対策たいさくが大切たいせつで、それと合あわせて行おこなえば、感染かんせんの予防よぼうが期待きたいできる可能かのう性せいがある」と話はなしています。

専門せんもん家かは「感染かんせん予防よぼうではなく健康けんこう法ほうの一ひとつ」

紅茶こうちゃでも緑茶りょくちゃでも、研究けんきゅう者しゃは、ワクチン接種せっしゅなど基本きほん的てきな対策たいさくが大切たいせつで、紅茶こうちゃや緑茶りょくちゃでインフルエンザへの感染かんせんが防ふせげるという研究けんきゅうではないとしています。

日本にっぽん感染かんせん症しょう学会がっかいのインフルエンザ委員いいん会かいの委員いいんの菅谷すげのや憲夫のりお医師いしは「医学いがく的てきに証明しょうめいされた感染かんせん予防よぼう法ほうはワクチンの接種せっしゅで、紅茶こうちゃやお茶おちゃを飲のむのは健康けんこう法ほうの一ひとつと考かんがえてほしい」と話はなしています。