Actualités japonaises: “ひきこもり” 初の大規模調査見えてきたものは

“ひきこもり” 初はつの大だい規模きぼ調査ちょうさ見みえてきたものは

Jun 8, 2022 19:06

Furigana

人口じんこうおよそ70万まんの東京とうきょう・江戸川えどがわ区くがひきこもりの可能かのう性せいがある15歳さい以上いじょうのおよそ25万まん人にんを対象たいしょうに初はじめて大だい規模きぼな調査ちょうさを行おこないました。

その結果けっか、14歳さい以下いかの不ふ登校とうこうの子こどもなどと合あわせ、区内くないに9000人にん余あまりのひきこもりの人ひとがいて40代だいが最もっとも多おおく、女性じょせいが男性だんせいよりも多おおいことなどがわかりました。

専門せんもん家かは「潜在せんざい化かしたひきこもりが行政ぎょうせいにつながったという点てんで、新あらたなひきこもり支援しえんの在り方ありかたとしても注目ちゅうもくされる」としています。

区民くみん70万まん人にんの76人にんに1人にんがひきこもり

江戸川えどがわ区くの調査ちょうさは、およそ70万まんの区民くみんのうち、14歳さい以下いかは不ふ登校とうこうの情報じょうほうが把握はあくできているとして除のぞき、15歳さい以上いじょうの区民くみんのうち、給与きゅうよ収入しゅうにゅうで課税かぜいがない人ひとや介護かいごや障害しょうがいなど行政ぎょうせいサービスを利用りようしていない人ひとがひきこもりの可能かのう性せいがあるとしておよそ18万まん世帯せたいの24万まん6000人にん余あまりを対象たいしょうに去年きょねん、初はじめて行おこない、8日にちその結果けっかを発表はっぴょうしました。

調査ちょうさは用紙ようしを郵送ゆうそうする形かたちで行おこなわれ、回答かいとうがなかった世帯せたいには直接ちょくせつ訪問ほうもんして回答かいとうを求もとめ、57％余あまりから回答かいとうを得えました。

その結果けっか、ひきこもりとされたのは7919人にんで、14歳さい以下いかの不ふ登校とうこうの子こども1113人にんなどと合あわせると区内くないに、ひきこもりの人ひとが9096人にんいることがわかりました。

年齢ねんれい別べつ 40代だいが最多さいた

そして、調査ちょうさでひきこもりとされたおよそ7919人にんの内訳うちわけは、年齢ねんれい別べつでは40代だいが1196人にんで率りつにして17.1％、次ついで50代だいが1155人にんで16.6％、30代だいが968人にんで13.9％20代だいが813人にんで11.7％などとなっています。

女性じょせいが男性だんせいよりも多おおく

男女だんじょ別べつでは女性じょせいが3684人にんで51.4％男性だんせいが3461人にんで48.3％と女性じょせいが男性だんせいよりも多おおいことがわかりました。

ひきこもりの期間きかんは

また、ひきこもり状態じょうたいの期間きかんは、1年ねんから3年ねん未満みまんが28.7％と最もっとも多おおく、次ついで10年ねん以上いじょうが25.7％となっています。

当事者とうじしゃが求もとめているものは

一方いっぽう、調査ちょうさでは当事者とうじしゃの生活せいかつの状況じょうきょうやニーズについても聞きいていて、このうち日常にちじょう生活せいかつの不安ふあんについて複数ふくすう回答かいとうで聞きいたところ自分じぶんの健康けんこうが最もっとも多おおく66％収入しゅうにゅう・生活せいかつ資金しきんが63％などとなっています。

また、ひきこもりの当事者とうじしゃが求もとめているものについて複数ふくすう回答かいとうで聞きいたところ「就労しゅうろうに向むけた準備じゅんび、アルバイトや働はたらき場所ばしょの紹介しょうかい」が最もっとも多おおく、21％、次ついで「短たん時間じかんでも働はたらける職場しょくば」が18％と就労しゅうろうに関にかんする回答かいとうが合あわせて39％となっているほか「身体しんたい・精神せいしん面めんについて専門せんもん機関きかんへの相談そうだん」が16％「友達ともだちや仲間なかまづくり」が15％となっています。

一方いっぽうで、「何なにも必要ひつようない、今いまのままでよい」とした人ひとが32％となっています。

今後こんごへの課題かだいも

調査ちょうさでは、今後こんごへの課題かだいも浮かび上うかびあがりました。

区くは、最もっとも大おおきな課題かだいとして今回こんかい調査ちょうさに未み回答かいとうだったおよそ7万まん7000世帯せたいの実態じったい把握はあくを挙あげています。

区くでは、すみやかにこうした世帯せたいに対にたいして追加ついかの調査ちょうさを行おこないたいとしています。

また、調査ちょうさでは、ひきこもり当事者とうじしゃが何なにを求もとめているか聞きいたところ、32％の人ひとが「何なにも必要ひつようない、今いまのままでよい」と答こたえていて、こうした人ひとたちへの支援しえんも課題かだいだとしています。

区くではひきこもりの人ひとたちを支援しえんするため15分ふんという短みじかい時間じかんでも働はたらくことができる仕組しくみの活用かつようを呼よびかけたり、オンラインを含ふくめた居場所いばしょづくりなどを進すすめていきたいとしています。

区長くちょう “実際じっさいの数かずはもっと…”

会見かいけんで江戸川えどがわ区くの斉藤さいとう猛たけし区長くちょうは「行政ぎょうせいから最もっとも遠とおい場所ばしょにいる人ひとにこそ支援しえんの手てを差し伸さしのべるべきだ。幅広はばひろい年代ねんだいでひきこもりの人ひとがいて、男性だんせいと女性じょせいは、ほぼ半々はんはんで区民くみん全体ぜんたいの課題かだいだ。今いままで顔かおが見みえなかった人ひとの顔かおが見みえ、支援しえんのきっかけができたことは成果せいかだが、調査ちょうさに答こたえてもらえない区民くみんがまだ半数はんすういるので、実際じっさいのひきこもりの数かずはこんな数かずではないと思おもう。こうした人ひとたちへのアプローチを引き続ひきつづき続つづけていきたい」と述のべました。

専門せんもん家か “新あらたなひきこもり支援しえんの在り方ありかた”と評価ひょうか

ひきこもり問題もんだいに詳くわしいジャーナリストの池上いけがみ正樹まさきさんは「江戸川えどがわ区くのような大だい規模きぼな自治体じちたいで全ぜん世代せだいを対象たいしょうに直接ちょくせつ行おこなう調査ちょうさははじめてだと思おもう。非常ひじょうに画期的かっきてきで、これまで見みえなかった引ひきこもりの人ひとたちの困こまりごとやニーズなどが見みえてきたという意味いみでも非常ひじょうに注目ちゅうもくされる。潜在せんざい化かしたひきこもりが行政ぎょうせいにつながったという点てんで、新あらたなひきこもり支援しえんの在り方ありかたとしても注目ちゅうもくされる」と話はなしています。

また、「都市とし部ぶは地方ちほうに比くらべると、よりつながりが薄うすいという地域ちいき性せいがあり、特とくに団地だんちとかタワーマンションでは実態じったいがほとんどわからなかった。周囲しゅういから見みえにくいため、都市とし部ぶで顕在けんざい化かしてこなかった」として都市とし部ぶのひきこもりの実態じったいに迫せまる貴重きちょうな調査ちょうさだとしています。

そのうえで「どうやって行政ぎょうせいがつながりを継続けいぞくしていくかということが最もっとも重要じゅうようだ。困こまりごとに寄り添よりそっていくという専門せんもんのスタッフの育成いくせいも大切たいせつでそういうことができる人ひとがまだ少すくないのではないかなと実感じっかんしている」と述のべ、ひきこもり支援しえんの専門せんもん家かの育成いくせいなどを国くになども含ふくめて、社会しゃかい全体ぜんたいで考かんがえていくべきだと指摘してきしました。

そもそもひきこもりの定義ていぎとは？

ひきこもりの定義ていぎについて厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、『仕事しごとや学校がっこうに行いかず、かつ家族かぞく以外いがいの人ひとと交流こうりゅうせずに6か月かげつ以上いじょう続つづけて自宅じたくに引ひきこもっている状態じょうたい』としていますが、区くは、今回こんかいの調査ちょうさでは6か月かげつという期間きかんを除のぞき、『仕事しごとや学校がっこう等とうに行いかず、家族かぞく以外いがいの人ひととの交流こうりゅうをほとんどしない人ひと』と定義ていぎしました。

調査ちょうさ方法ほうほうは？

これまで行おこなわれてきた政府せいふの引ひきこもりに関にかんする調査ちょうさは一いち定数ていすうの人ひとを対象たいしょうにしたうえで全体ぜんたいの推計すいけいを行おこなうというのが主おもな方法ほうほうでした。

このうち、内閣ないかく府ふがひきこもりについて2019年ねんに公表こうひょうした調査ちょうさ結果けっかは全国ぜんこくの40歳さいから64歳さいの男女だんじょ5000人にんを対象たいしょうに行いった調査ちょうさでこの年齢ねんれい層そうの全国ぜんこくの「ひきこもり」の人ひとの数かずをおよそ61万まん人にん余あまりと推計すいけいしました。

一方いっぽう、今回こんかいの江戸川えどがわ区くの調査ちょうさは、およそ70万まん人にんの全ぜん区民くみんの中なかからすでに不ふ登校とうこうを把握はあくしている14歳さい以下いかを除のぞいたうえで15歳さい以上いじょうのうち、給与きゅうよ収入しゅうにゅうで課税かぜいがない人ひとや介護かいごや障害しょうがいなど行政ぎょうせいサービスを利用りようしていない人ひとがひきこもりの可能かのう性せいがあるとしておよそ18万まん世帯せたいの24万まん6000人にん余あまりを対象たいしょうに直接ちょくせつ郵送ゆうそうし、回答かいとうがなかった場合ばあいには直接ちょくせつ、訪問ほうもんして行おこなわれた点てんが特徴とくちょうとなっています。