高校こうこう野球やきゅう コロナと向き合むきあった3年ねん 球児きゅうじたち 最後さいごの夏なつへの思おもい

こうした中なかでも多おおくの部員ぶいんが困難こんなんと向き合むきあいながら野球やきゅうを続つづけました。

3年生ねんせいまで継続けいぞくした部員ぶいんの割合わりあいは「92.7％」。集計しゅうけいを始はじめた1984年ねん以降いこう、過去かこ最高さいこうとなりました。

試合しあい会場かいじょうで、最後さいごの夏なつの戦たたかいを終おえた3年生ねんせいの球児きゅうじたちに話はなしを聞きくと、“仲間なかま”や“ライバル”の存在そんざいが支ささえになったと話はなしてくれました。

「コロナで大会たいかいや練習れんしゅうがなくなってモチベーションを保たもてず、しんどい時ときもありましたが、今いまは最後さいごまで続つづけられて楽たのしかったという気持きもちがいちばん」

▼須磨すま翔しょう風ふう高校こうこう（兵庫ひょうご）勝部かつべ羽はね隼はやぶさ選手せんしゅ

「練習れんしゅうがない時ときは1人にんで考かんがえる時間じかんが多おおく悩なやんだが、野球やきゅうを通をとおして、仲間なかまがいたら無理むりだと思おもえることでもできると学まなんだ」

代かわって出場しゅつじょうした山田やまだ投手とうしゅの近江おうみは、滋賀しが県勢けんせい初はつとなる決勝けっしょうに進すすみ、準じゅん優勝ゆうしょうを果はたしました。

甲子園こうしえんで光ひかったのは、山田やまだ投手とうしゅの気迫きはくあふれるピッチング。その裏うらには夢ゆめの舞台ぶたいを奪うばわれたライバルへの思おもいがありました。

「森下もりした（投手とうしゅ）がいちばん甲子園こうしえんのマウンドに上あがりたかったと思おもう。出でられなかった京都きょうと国際こくさいの分ぶんまで戦たたかう気持きもちを背負せおって投なげていました」

およそ2週間しゅうかん、練習れんしゅうができず、再開さいかいしたあとも、利き腕ききうでの左ひだりひじに痛いたみを感かんじ、医師いしからはコロナの後遺症こういしょうと診断しんだんされました。

京都きょうと国際こくさい 森下もりした瑠大だい投手とうしゅ

「自分じぶんらでつかみ取とったセンバツの舞台ぶたいがなくなって、悔くやしかったです。野球やきゅうがしたくてもできないつらさが、いちばん大おおきかったです」

対照たいしょう的てきだった春はるから最後さいごの夏なつへ。

1年ねんほど前まえにSNSでつながった2人にんは、京都きょうと国際こくさいのセンバツ辞退じたいが決きまった直後ちょくごに、森下もりした投手とうしゅが山田やまだ投手とうしゅに送おくったエールをきっかけに交流こうりゅうが深ふかまっていきました。

そして2人にんは、感染かんせん対策たいさくとして全体ぜんたい練習れんしゅうの時間じかんが制限せいげんされるなどコロナの影響えいきょうが続つづくなかでも、ともに成長せいちょうしていこうと、夏なつに照準しょうじゅんを合あわせてきました。

「頑張がんばらなあかんなと思おもわせてくれる。ライバル意識いしきしているので、負まけたくない気持きもちが強つよい。練習れんしゅう時間じかんが少すくなくなったのは本当ほんとうに痛いたいけど、その中なかでやることで見みえる景色けしきも変かわってきた」

「思おもうように練習れんしゅうできないことも多おおかったんですけど、僕ぼくたちだけじゃなくてほかのチームも同おなじことなので、言い訳いいわけにはできない。甲子園こうしえんに出でて、山田やまだと投なげ合あいたい」

森下もりした投手とうしゅはひじの状態じょうたいを考慮こうりょしてマウンドには上あがらず、バッターとしての出場しゅつじょうとなりましたが、最初さいしょの打席だせきで、山田やまだ投手とうしゅの速球そっきゅうをとらえ、センター前まえにヒットを打うちました。

「野球やきゅうをできる喜よろこびは、ほかのチームより感かんじている。思い切おもいきって楽たのしむことを忘わすれずに最後さいごは日本一にっぽんいちで笑わらって終おわれる夏なつにしたい」

近江おうみ 山田やまだ陽よう翔しょう投手とうしゅ

「京都きょうと国際こくさいは春はるに届とどかなかった全国ぜんこく制覇せいはをするうえでは必かならず当あたる敵てきだと思おもう。次つぎは自分じぶんたちの手てで勝ち進かちすすんで甲子園こうしえんの頂点ちょうてんに立たちたい」

せっさたくましてきた2人にんのように、高校こうこう球児きゅうじたちは厳きびしい環境かんきょうの中なかでも、それぞれの目標もくひょうを持もち、“仲間なかま”、“ライバル”とともにその歩あゆみを進すすめてきました。

最後さいごの夏なつ、熱あつい思おもいのこもったプレーを見届みとどけたいと思おもいます。