吉村知事はその理由について「国の専門家から大阪府・兵庫県における緊急対策の提案をいただいた。全国的にも感染者が増えている中で特に兵庫県は1人の感染者が2次感染者を生み出す平均値が1を超えている。爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない。大阪は1を超えていないが感染者が増えていて警戒しないといけない状況だ。国の試算では大阪と兵庫で次の7日間で感染者が586人となる。さらに次の7日間で3374人となり重症者は227人となっている。これは最悪、急速に感染が拡大すればこうなるという試算結果だ。この事態を重く受け止めあすからの3連休、往来を控えていただきたい」と述べました。
兵庫県 井戸知事「大阪などへの不要不急の行き来控えて」
兵庫県の井戸知事は記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大阪府やそのほかの地域への不要不急の行き来を控えるよう兵庫県民に呼びかけました。
専門家「妥当な判断だ」
3連休中に大阪府と兵庫県の間で不要不急の往来の自粛を呼びかけることについて、感染症の制御に詳しい愛知医科大学の三鴨廣繁教授は、「大阪ではようやく感染拡大の動きが鈍ってきているが、関西は交通網が発達していて人の行き来が盛んなので、この3連休でまたクラスターが発生してしまう可能性がある。また、兵庫では空いている病床が少なくなっているという情報もあり、少しでも感染の拡大を抑えるという観点では、人の行き来を抑えることは妥当な判断だ」と話していました。
大阪・兵庫間の交通機関は通常どおり
大阪府の吉村知事が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、20日からの3連休、大阪府と兵庫県のあいだの不要不急の往来を控えるよう呼びかけたことについて、大阪と兵庫を結ぶ交通機関は今のところ通常通り運行するとしています。
JR西日本は新幹線、在来線ともに今のところ特別な対応はせず、通常通り運行するとしているほか、私鉄の阪急電鉄と阪神電鉄も、今のところ通常どおり運行する予定だということです。
このほか、高速道路も、西日本高速道路、阪神高速道路ともに特別な対応は予定していないということです。
また、大阪空港と神戸三宮駅や姫路駅など兵庫県内を結ぶリムジンバスを運行している大阪空港交通も今のところ特別な対応をせず通常通り運行するとしています。
JR大阪駅前では
大阪府の吉村知事が20日からの3連休、大阪府と兵庫県のあいだの不要不急の往来を控えるよう大阪府民と兵庫県民に呼びかける考えを示したことについて、JR大阪駅前では理解を示したり、疑問を感じたりする人の声が聞かれました。
兵庫県の大学2年生の男性は、「個人的には不便になりますが、これで感染が広まらないんだったらいいのかなと思います。連休中は友達と会う約束していましたが日程を変えます」と話していました。
大阪府の20代の女性は「これ以上感染が広がったらオリンピックの開催とかにも関わってくると思うので、できることをやるのは賛成です」と話していました。
大阪・堺市の20代の男性は「守る人はあんまりいないんじゃないでしょうか。仕事で行き来する人もいるし、完全に止めるのは簡単にはいかないと思います」と話していました。