新型コロナウイルスの
感染拡大により、
東京都が
今週末の
不要不急の
外出の
自粛を
要請したこと
などを
受け、
日本水泳連盟は
東京オリンピックの
競泳の
代表選考会として
来月2日に
開幕する
予定だった
日本選手権の
中止を
決めました。
新型コロナウイルスの
世界的な
感染拡大により、
IOC=
国際オリンピック
委員会が
東京大会の
1年程度の
延期を
決めたことを
受け、25
日、
日本水泳連盟は
臨時の
常務理事会を
開いて、
東京 江東区の
東京アクアティクスセンターで
来月2日に
開幕する
予定だった
競泳の
日本選手権について
協議を
行いました。
その結果、いったんは今回の大会を来年のオリンピックの代表選考会として実施すると発表しましたが、その後、東京都の小池知事が緊急の記者会見を開いて、都民に対して今週末の不要不急の外出を控えるよう要請したことなどを受けて、一転して大会の中止を決めました。
今後の代表選考についての日程などは未定で、選手たちは強化の仕切り直しが求められることになります。
一転中止の背景は
日本水泳連盟は、来週開幕する日本選手権について「東京オリンピックの代表選考会として実施する」と表明したわずか2時間後、一転して中止を発表しました。
この背景には、日本水泳連盟の判断が最後まで揺れていたことが挙げられます。
22日にIOCが東京オリンピックの「延期」を検討すると発表した段階で、日本水泳連盟はオリンピックが2年延期される可能性もあるとみて、代表選考会となる日本選手権の中止や延期を視野に入れていました。
しかし、24日夜になってIOCが延期の期間を「1年程度」としたことを受けて25日夕方の常務理事会では、代表選考からオリンピックまで1年以上、期間が空いたとしても選ばれた選手の強化によってベストの状態で大会本番を迎えることができると期待して日本選手権の決行を決めたのです。
また、多くの選手が今回の日本選手権に向けてピークをあわせるために、ことし2月ごろから酸素が薄い海外の高地で過酷な合宿を行うなど調整を進めていたほか、感染が拡大している海外の状況と比較すると練習が制限されるなどの深刻な影響が及んでいないこともあり、今回の大会が開かれれば好記録が出るという予想も関係者の間では広がっていました。
そのため日本水泳連盟は今月予定していたジュニアオリンピックを感染拡大が懸念されるとして中止したあとも「オリンピックの代表選考に関わる大会はなんとしても開く」として日本選手権の開催に強い意欲を示していました。
一方で、大会の開催を発表した直後からオリンピック出場経験のある選手などが、SNSに「本当にやるんですか?周りには感染した場合、重症化する可能性の高い人がいる」とか「代表選考会となれば出ざるをえない。正直怖い」などとする戸惑いの声を相次いで投稿していました。
日本水泳連盟ではぎりぎりまで開催する方向で協議を進め、準備を進めるとしていましたが、最終的には常務理事会の後に、東京都の小池知事が今週末の不要不急の外出を控えるよう呼びかけたことなどから一転して開催を断念せざるをえなくなりました。