日本新聞: 「18歳成人」10代の消費トラブル懸念有効な対策は

「18歳さい成人せいじん」10代だいの消費しょうひトラブル懸念けねん有効ゆうこうな対策たいさくは

Jun 13, 2018 16:06

Furigana

成人せいじん年齢ねんれいの引き下ひきさげによって、新あらたに成人せいじんとなる18歳さいと19歳さいの若者わかものが親おやの同意どういなしにローンなどの契約けいやくを結むすぶことができるようになる一方いっぽう、消費しょうひトラブルに巻き込まきこまれることが懸念けねんされることから、その対策たいさくとして「消費しょうひ者しゃ契約けいやく法ほう」も改正かいせいされ、来年らいねん６月ろくがつから施行しこうされます。改正かいせいされた消費しょうひ者しゃ契約けいやく法ほうでは、若者わかもののトラブルが多おおい「デート商法しょうほう」やさまざまな不安ふあんをあおる商法しょうほうを不当ふとうな勧誘かんゆうと位置いちづけ、消費しょうひ者しゃが契約けいやくを取り消とりけすことができるようになります。

当初とうしょの改正かいせい案あんでは不当ふとうな勧誘かんゆうについて「社会しゃかい生活せいかつ上じょうの経験けいけんが乏とぼしいこと」につけこむものとしていましたが、「若者わかものしか守まもれない」と懸念けねんする意見いけんが出だされ、高齢こうれいや病気びょうきなどで判断はんだん力りょくが低下ていかした消費しょうひ者しゃの不安ふあんをあおる勧誘かんゆうも対象たいしょうに加くわえられたほか、「社会しゃかい生活せいかつ上じょうの経験けいけん」を年齢ねんれいにかかわらず広ひろく解釈かいしゃくするとする付帯ふたい決議けつぎもつけられました。

一方いっぽうで、今回こんかいの改正かいせいは「デート商法しょうほう」などに対象たいしょうが限かぎられていることから、専門せんもん家かからは、今後こんご、新あらたな手口てぐちが出でてきた場合ばあいに直ただちに対応たいおうできず、消費しょうひ者しゃを守まもる効果こうかには限界げんかいがあると指摘してきする声こえもあがっています。

国くにの消費しょうひ者しゃ委員いいん会かいの前まえの委員いいん長ちょうで青山あおやま学院がくいん大学だいがくの河上かわかみ正二しょうじ教授きょうじゅは「悪徳あくとく商法しょうほうが次々つぎつぎと出でてくる中なか、モグラたたきのように要件ようけんを追加ついかしていく今いまの改正かいせいのやり方やりかたでは消費しょうひ者しゃのためにならない。本来ほんらい、消費しょうひ者しゃ契約けいやく法ほうは包括ほうかつ的てきな救済きゅうさいの受け皿うけざらとなるべきで、議論ぎろんが継続けいぞくされることに期待きたいしたい」と話はなしています。

消費しょうひ者しゃ庁ちょう長官ちょうかん「若わかい人ひとに届とどくさまざまな活動かつどうを」

成人せいじん年齢ねんれいの引き下ひきさげに伴ともなう若者わかものの消費しょうひトラブル防止ぼうしについて、消費しょうひ者しゃ庁ちょうの岡村おかむら和美かずみ長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで「若わかい人ひとたちは生活せいかつの範囲はんいが限かぎられ、さまざまな問題もんだいに気きづく機会きかいが少すくないので、社会しゃかい全体ぜんたいで自立じりつした消費しょうひ者しゃとしての自覚じかくを促うながしていく必要ひつようがある。若わかい人ひとたちが日常にちじょう的てきに利用りようしているネット通販つうはんについて自分じぶんの身みを守まもるための勉強べんきょうをしてもらいたいし、ＳＮＳを利用りようしたマルチ商法しょうほうなどの被害ひがいも気きにかかる。消費しょうひ者しゃ庁ちょうとしても、若わかい人ひとに届とどくような動画どうが配信はいしんなどさまざまな活動かつどうに取り組とりくんでいきたい」と述のべました。