死刑しけい執行しっこう 死刑しけい囚しゅうの弁護士べんごしらの声こえ

松本まつもと死刑しけい囚しゅうの弁護士べんごし「審理しんり尽つくされないまま死刑しけい執行しっこうは残念ざんねん」

オウム真理教おうむしんりきょうの元もと代表だいひょうの麻原あさはら彰晃しょうこう、本名ほんみょう・松本まつもと智さとし津つ夫おっと死刑しけい囚しゅうの１いち審しんで国選こくせんの弁護士べんごしを務つとめた、小川おがわ原はら優ゆう之の弁護士べんごしは「一連いちれんの事件じけんは、松本まつもと死刑しけい囚しゅうの指示しじで行おこなわれたとされる中なかで、審理しんりが１いち審しんだけで終おわってしまい、解明かいめいされていない事実じじつがたくさんあったと思おもいます。責任せきにん能力のうりょくに疑うたがいがある状態じょうたいで審理しんりが尽つくされないまま死刑しけいが執行しっこうされたことは残念ざんねんです」と話はなしています。

土谷つちたに死刑しけい囚しゅうと遠藤えんどう死刑しけい囚しゅうの弁護士べんごし「弟子でしたちの同時どうじ執行しっこうは残念ざんねん」

土谷つちたに正実まさみ死刑しけい囚しゅうと遠藤えんどう誠一せいいち死刑しけい囚しゅうの、代理人だいりにんを務つとめた野崎のさき研二けんじ弁護士べんごしは「教祖きょうそである松本まつもと死刑しけい囚しゅうの死刑しけい執行しっこうは当然とうぜんだと思おもう。しかし弟子でしたちをマインドコントロールして完全かんぜんに支配しはい下かにおき、判断はんだん能力のうりょくを失うしなわせた状態じょうたいで起おこした宗教しゅうきょう団体だんたいの犯罪はんざいだということを考慮こうりょせず、法務省ほうむしょうが弟子でしたちの死刑しけいも同時どうじに執行しっこうしたのは残念ざんねんだ」と話はなしています。

土谷つちたに死刑しけい囚しゅうは２に審しんまで否認ひにんを続つづけていましたが、野崎のさき弁護士べんごしが担当たんとうした最高さいこう裁判所さいばんしょでは罪つみを認みとめていて、弁護士べんごしによりますと死刑しけいが確定かくていした際さいには事件じけんの全容ぜんようがわかるような文章ぶんしょうを書かくことを目指めざしていたということです。しかし結局けっきょく実現じつげんせず、その後そのごは手紙てがみなどのやり取やりとりだけになっていたということです。

また、遠藤えんどう死刑しけい囚しゅうについては、１いち審しんの途中とちゅうまで代理だいり人じんを務つとめ、その段階だんかいでは罪つみを認みとめていましたが、その後そのご、代理人だいりにんを解任かいにんされ否認ひにんに転てんじたということです。野崎のさき弁護士べんごしは「否認ひにんしていたことなどが執行しっこうの順番じゅんばんに影響えいきょうしたのではないか。宗教しゅうきょう団体だんたいの事件じけんを理解りかいしてもらうのは難むずかしいと思おもう」と話はなしていました。

井上いのうえ死刑しけい囚しゅうの再審さいしん担当たんとうの弁護士べんごし「残念ざんねんで怒いかりを覚おぼえる」

井上いのうえ嘉浩よしひろ死刑しけい囚しゅうの再審さいしんを担当たんとうしていた伊達だて俊二しゅんじ弁護士べんごしは「井上いのうえ死刑しけい囚しゅうはことし３月さんがつに再審さいしんを請求せいきゅうしたばかりで、その協議きょうぎが進すすんでいただけに執行しっこうは誠まことに残念ざんねんで、正直しょうじき、怒いかりを覚おぼえる。法務省ほうむしょうには厳重げんじゅうに抗議こうぎをしたい。井上いのうえ死刑しけい囚しゅうは、オウム真理教おうむしんりきょうの13人にんの死刑しけい囚しゅうのうち唯一ゆいいつ、死刑しけいか無期むき懲役ちょうえきか、裁判さいばんで判断はんだんが分わかれていた。事件じけんの真相しんそう解明かいめいと、今回こんかいの死刑しけい執行しっこうの在り方ありかたを問とうためにも、今後こんご、死後しごの再審さいしん請求せいきゅうを改あらためてするか井上いのうえ死刑しけい囚しゅうの家族かぞくと相談そうだんして検討けんとうしたい」と話はなしています。

遠藤えんどう死刑しけい囚しゅうの再審さいしん請求せいきゅうの代理人だいりにん弁護士べんごし「判断はんだん前まえの執行しっこうに憤いきどおり」

遠藤えんどう誠一せいいち死刑しけい囚しゅうの再審さいしん請求せいきゅうで代理人だいりにんを務つとめる堀井ほりい準じゅん弁護士べんごしは「遠藤えんどう死刑しけい囚しゅうはサリンの作成さくせいには関かかわったが、使つかわれるという認識にんしきはなかったとする新あらたな証拠しょうこを元もとに確信かくしんを持もって再審さいしんを求もとめていたが、ことし５月ごがつに東京とうきょう地裁ちさいが棄却ききゃくをしたため即時そくじ抗告こうこくをしていた。その判断はんだんが出でる前まえに死刑しけいを執行しっこうしたことに憤いきどおりを覚おぼえます。弁護べんご団だんと相談そうだんをして請求せいきゅうを継続けいぞくするか対応たいおうを検討けんとうしたい」と話はなしています。

新実にいみ死刑しけい囚しゅう取り調とりしらべた元もと捜査そうさ員いん「安やすらかに眠ねむること祈いのる」

警視庁けいしちょう捜査そうさ一いち課かの元もと捜査そうさ員いんで、新実にいみ智光ともみつ死刑しけい囚しゅうの取り調とりしらべにあたった酒井さかい美よし次じさん（70）は、当時とうじを振り返ふりかえり、「新実にいみ死刑しけい囚しゅうの取り調とりしらべには10か月かげつ以上いじょう、あたった。自分じぶんが起おこしたことの大おおきさが怖こわくなって落ち込おちこむことが多おおく、調しらべでは口くちを開ひらくのをしぶっていたが、徐々じょじょに詳細しょうさいを話はなすようになり、一連いちれんの事件じけんの全容ぜんよう解明かいめいにつながった。しかし、取り調とりしらべの段階だんかいでは、被害ひがい者しゃに対にたいしての反省はんせいの言葉ことばを口くちにすることは一いち度どもなく、松本まつもと死刑しけい囚しゅうへの信仰しんこう心しんを捨すてられない様子ようすだった」と話はなしました。

そのうえで死刑しけいが執行しっこうされたことについて「残忍ざんにんな手口てぐちで多数たすうの犠牲ぎせい者しゃを出だした罪つみは大おおきく、死刑しけい執行しっこうは当然とうぜんだし、本人ほんにんも当時とうじから覚悟かくごしていた。しかし取調とりしらべ室しつで長期ちょうき間かん、向き合むきあい、家族かぞくのことやこれまでの人生じんせいの話はなしをし、アドバイスもした身みとしては安やすらかに眠ねむることを祈いのっている」と話はなしていました。

死刑しけい囚しゅうらと面会めんかいした専門せんもん家か「粛々しゅくしゅくと死刑しけい執行しっこうは残念ざんねん」

オウム真理教おうむしんりきょうの死刑しけい囚しゅうらと面会めんかいしてきた心理しんり学がくが専門せんもんで立正大学りっしょうだいがくの西田にしだ公昭きみあき教授きょうじゅは「急きゅうな死刑しけい執行しっこうで正直しょうじき驚おどろいている。麻原あさはらについては、生いかしておいてもプラスの要素ようそがないため、理解りかいできるが、麻原あさはら以外いがいの６ろく人にんの死刑しけい囚しゅうについては拘置こうち所内しょないでの気持きもちの変化へんかなどを調しらべれば、信仰しんこうを続つづけた人ひと、信仰しんこうから離はなれた人ひとの心理しんり的てきメカニズムの調査ちょうさとして社会しゃかいに生いかせることがあったのではないかと思おもっていたので、粛々しゅくしゅくと死刑しけいを執行しっこうしたことについて残念ざんねんな気持きもちが拭ぬぐえません」と話はなしていました。