緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんで保育ほいく所しょはどうなる？自治体じちたいで対応たいおう分わかれる

「自粛じしゅく要請ようせい」が最多さいた

ＮＨＫえぬえいちけいでは「認可にんか保育ほいく所しょ」の対応たいおうについて、都内とないの62の市区しく町村ちょうそんに取材しゅざいしました。その結果けっか、９きゅう日にち時点じてんで通園つうえんの「自粛じしゅく要請ようせい」が46自治体じちたいと最もっとも多おおく、次ついで「原則げんそく休園きゅうえん」が12自治体じちたい、「平時へいじと同おなじ」が２に自治体じちたい、「検討けんとう中ちゅう」が２に自治体じちたいと自治体じちたいによって対応たいおうがわかれていることがわかりました。

「原則げんそく休園きゅうえん」でも柔軟じゅうなんに対応たいおう

ただし「原則げんそく休園きゅうえん」とした12の自治体じちたいでも、保護ほご者しゃが子こどもの面倒めんどうを見みることが難むずかしい場合ばあいは、引き続ひきつづき保育ほいく所しょで子こどもを預あずかることにしているということです。

その場合ばあいほとんどの自治体じちたいは、ふだん通園つうえんしている保育ほいく所しょを開あけて子こどもを預あずかることにしていますが、渋谷しぶや区くでは区内くないの８やっつの保育ほいく所しょだけを開あけて子こどもを集あつめて対応たいおうするということです。

預あずかる子こどもは保護ほご者しゃの職業しょくぎょうで

またどのような家庭かていの場合ばあいに保育ほいく所しょで子こどもを預あずかるかについても、自治体じちたいの対応たいおうは分わかれています。

保護ほご者しゃの職業しょくぎょうを医療いりょう関係かんけい者しゃの場合ばあいや警察けいさつや消防しょうぼう、インフラ関係かんけいなど社会しゃかい機能きのうの維持いじに必要ひつような職種しょくしゅに限かぎる自治体じちたいがある一方いっぽうで、例たとえば墨田すみだ区くでは、「世帯せたい全員ぜんいんの保護ほご者しゃが仕事しごとを継続けいぞくしなければならない場合ばあい」としているほか、文京ぶんきょう区くでは、「職種しょくしゅにかかわらず保護ほご者しゃから申し出もうしでがあれば原則げんそくとして受け入うけいれる」とするなど、職種しょくしゅを限定げんていしない自治体じちたいもあります。

保護ほご者しゃから切実せつじつな声こえも

自治体じちたいの担当たんとう者しゃによりますと、保護ほご者しゃからは「会社かいしゃに行いけないのでなんとか子こどもを預あずかってほしい」という切実せつじつな声こえがある一方いっぽうで、「会社かいしゃを休やすんで自宅じたくで保育ほいくを行おこなうためにも『休園きゅうえん』など明確めいかくな対応たいおうをとってほしい」といった声こえも多おおく寄よせられているということです。

また休園きゅうえんや自粛じしゅくの判断はんだんについての統一とういつ的てきな基準きじゅんが無なく、自治体じちたいごとに対応たいおうが分わかれているため、保護ほご者しゃからは「なぜ同おなじ都内とないなのに住すんでいる地域ちいきで対応たいおうが異ことなるのか」といった問い合といあわせがあり、対応たいおうに苦慮くりょしている自治体じちたいもあります。

保育ほいく現場げんばからは困惑こんわくの声こえも

保育ほいくの現場げんばでは行政ぎょうせいから示しめされた子こどもの受け入うけいれ基準きじゅんがあいまいで、それぞれの保育ほいく所しょに判断はんだんが任まかされていることに困惑こんわくの声こえも上あがっています。

このうち、東京とうきょう 世田谷せたがや区くの尾山台おやまだい保育園ほいくえんでは、区くから示しめされている「仕事しごとが休やすめる家庭かていは登とう園えんの自粛じしゅくをお願おねがいする」という方針ほうしんも踏ふまえて極力きょくりょく自宅じたくでの保育ほいくをお願おねがいするなどしています。

園内えんないでの感染かんせんを防ふせぐためにも、預あずかる子こどもの人数にんずうを減へらさざるをえないと考かんがえていますが、保護ほご者しゃからは「在宅ざいたく勤務きんむをしているが子こどもの世話せわと仕事しごとが両立りょうりつできないので預あずかってほしい」といった声こえもあり、対応たいおうに苦慮くりょしているということです。

また「園内えんないでは子こどもが大勢たいせいで過すごしているので感染かんせんが心配しんぱいだ」といった声こえや、「感染かんせんのリスクを減へらすために自宅じたくで保育ほいくを行おこなおうと思おもっても保育園ほいくえんを『休園きゅうえん』にしてくれないと仕事しごとが休やすめない。しっかり基準きじゅんをつくってほしい」といった声こえも寄よせられているということです。

２に歳さいの娘むすめを保育ほいく園えんに通かよわせている男性だんせいは、「在宅ざいたく勤務きんむをしていますが、来週らいしゅうから保育園ほいくえんを休やすませることにしました。こういう状況じょうきょうで園えんも大変たいへんだと思おもうので、家いえで子こどもの面倒めんどうを見みるのは大変たいへんですが協力きょうりょくしたいと思おもいます」と話はなしていました。

遠山とおやま拓郎たくろう園長えんちょうは「区くから、どういった人ひとなら受け入うけいれるといった具体ぐたい的てきな方針ほうしんが示しめされていないので、こちらでなんとか保護ほご者しゃに協力きょうりょくをお願おねがいしています。保育ほいく士しの中なかには自分じぶんの子こどもを保育ほいく所しょに預あづけられなくなる人ひともいて、このままでは保育園ほいくえんの体制たいせいを維持いじするのも難むずかしいです。休園きゅうえんするならするで、方針ほうしんを打ち出うちだしてもらい、本当ほんとうに保育ほいくが必要ひつような人ひとに届とどくようにしたいです。早はやくしっかりとした基準きじゅんを示しめしてほしいと切実せつじつに願ねがっています」と話はなしていました。

ネット上じょうでもさまざまな声こえ

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけて、ネット上じょうでは、保育ほいく所しょに子こどもを預あづけることをめぐって、さまざまな声こえが上あがっています。

ＳＮＳには「感染かんせんのリスクが高たかいなか、子こどもを預あづけることが、子こどもにとっても保育ほいく士しにとっても心配しんぱいです。どうか保育園ほいくえんを休園きゅうえんに」、「幼稚園ようちえん、保育ほいく所しょは、完全かんぜんなる３さん密みつです。今いますぐ休園きゅうえんしないと」などといった、感染かんせんのリスクを心配しんぱいする声こえが上あがっています。

一方いっぽうで、休園きゅうえんや利用りよう自粛じしゅくを求もとめる動うごきに対にたいして、「しかたないのは理解りかいするけど、在宅ざいたく勤務きんむに対にたいする理解りかい度どが低ひくいなと思い知おもいしらされる」といった、仕事しごとへの影響えいきょうを懸念けねんする声こえも上あがっています。