Actualités japonaises: レムデシビル各国に十分に供給できるか課題新型コロナ

レムデシビル各国かっこくに十分じゅうぶんに供給きょうきゅうできるか課題かだい新型しんがたコロナ

May 5, 2020 08:05

Furigana

アメリカで新型しんがたコロナウイルスの重症じゅうしょうの患者かんじゃに対にたいしてレムデシビルという薬くすりの緊急きんきゅう使用しようが認みとめられたことについて、ＷＨＯだぶりゅ-えいちお-＝世界せかい保健ほけん機関きかんの科学かがく者しゃは、今後こんご、各国かっこくに十分じゅうぶんに供給きょうきゅうできるかが課題かだいになってくるという見方みかたを示しめしました。レムデシビルは、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの治療ちりょうを目的もくてきに研究けんきゅうが進すすめられてきた開発かいはつ中ちゅうの薬くすりで、アメリカのＦＤＡえふでぃ-えい＝食品しょくひん医薬品いやくひん局きょくは、今月こんげつ１いち日にち、新型しんがたコロナウイルスの重症じゅうしょう患者かんじゃに対にたいする緊急きんきゅう使用しようを認みとめました。

この決定けっていについて、ＷＨＯだぶりゅ-えいちお-のチーフサイエンティストのソミヤ・スワミナサン氏しはＮＨＫえぬえいちけいのインタビューで、「各国かっこくは薬くすりの使用しよう許可きょかを緊急きんきゅうに出だせるかどうか、手続てつづきを始はじめることになるだろう。問題もんだいは、どれだけ在庫ざいこがあるのか、そして、薬くすりが必要ひつようになる可能かのう性せいのある国々くにぐにに供給きょうきゅうできるかどうかだ」と述のべ、今後こんご、薬くすりを十分じゅうぶんに供給きょうきゅうできるかが課題かだいになってくるという見方みかたを示しめしました。

そのうえでスワミナサン氏しは「パンデミックの状況じょうきょう下かで、治療ちりょう薬やくやワクチンを１ひとつの国くに、もしくはいくつかの国くにが独占どくせんするのはむだなことだ。なぜならば新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんに世界せかいで立ち向たちむかわなければ、誰だれも安全あんぜんだとは言いえないからだ」と述のべ、治療ちりょう薬やくやワクチンの開発かいはつが進すすんだ場合ばあい、必要ひつような国くにに供給きょうきゅうするなど、国際こくさい的てきな調整ちょうせいが必要ひつようになるという考かんがえを示しめしました。

一方いっぽう、日本にっぽんの製薬せいやく会社かいしゃが開発かいはつしたインフルエンザの薬くすり「アビガン」については、「現げん段階だんかいで新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃに効果こうかがあるのか、病気びょうきのどの段階だんかいで効果こうかをもたらすのか、判断はんだんするだけの情報じょうほうが得えられていない。日本にっぽんの国内こくない外がいで行おこなわれている臨床りんしょう試験しけんの結果けっかを楽たのしみにしている」と述のべました。

“12月つきには100万まん人にん分ぶんを目標もくひょうに生産せいさん”

「レムデシビル」を開発かいはつしているアメリカの大手おおて製薬せいやく会社かいしゃ、「ギリアド・サイエンシズ」によりますと、今月こんげつ１いち日にちの時点じてんで、患者かんじゃに10日間にちかん投与とうよする想定そうていで、14万まん人にん分ぶんにあたる量りょうのレムデシビルがあり、順次じゅんじ、重症じゅうしょうの患者かんじゃの治療ちりょうにあたっている医療いりょう機関きかんなどに寄付きふするとしています。

そして、必要ひつようであれば、ことし10月つきに50万まん人にん分ぶん、12月つきには100万まん人にん分ぶんを目標もくひょうに生産せいさんするとしています。

“劇的げきてき効果こうかは期待きたいしていないが、一助いちじょになるか”

「レムデシビル」の臨床りんしょう試験しけんを行おこなっているＩｎｓｅｒｍ＝フランス国立こくりつ保健ほけん医学いがく研究けんきゅう機構きこうのドミニク・コスタリオーラチーフディレクターは、ＮＨＫえぬえいちけいのインタビューで「新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃに一定いっていの治療ちりょう効果こうかがあると言いえそうだが、そもそもレムデシビルは別べつの病気びょうきの治療ちりょうのために作つくられた薬くすりだ。劇的げきてきな効果こうかは期待きたいしていないが、一助いちじょにはなるのだろう」と述のべました。

Ｉｎｓｅｒｍでは、

▼「レムデシビル」のほか、

▼エイズの発症はっしょうを抑おさえる「ロピナビル」と「リトナビル」を組み合くみあわせた薬くすりや

▼マラリアの治療ちりょうに使つかわれる「クロロキン」の一種いっしゅ、「ヒドロキシクロロキン」などの臨床りんしょう試験しけんも行おこなっていて、

コスタリオーラ氏しは「今いまの段階だんかいで、どの薬くすりがより優すぐれているのか言いえるだけの理由りゆうはない。結論けつろんを出だす前まえに多おおくの人ひとで臨床りんしょう試験しけんを続つづけなければならない」と述のべ、安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいを慎重しんちょうに見極みきわめる必要ひつようがあるという考かんがえを示しめしました。