アメリカの
トランプ大統領は、イエメンの
内戦に
介入するサウジアラビアへの
軍事支援の
停止を
求めて
議会が
可決した
決議案に対し、
大統領の
権限で
拒否権を
発動すると
表明しました。サウジアラビアとの
関係をめぐり、
大統領と
議会の
外交政策をめぐる
立場の
違いが
浮き彫りになった
形です。
中東イエメンの
内戦では、サウジアラビアによる
空爆で
多くの
市民が
犠牲になっているとして、
アメリカ議会は、サウジアラビアへの
軍事支援の
停止を
求める決議案について、
与党・
共和党の
一部議員も
賛成し
上下両院で
可決しています。
ホワイトハウスは16日、トランプ大統領が議会に宛てた書簡を公表し、この中でトランプ大統領は「アメリカ軍の指揮官である大統領の権限に干渉するもので、兵士を危険にさらしている」と批判しました。
そのうえで「外国への軍事支援を制限する試みは外交関係を損ね、中東地域でのテロ組織のまん延を防ぎ、市民を守ろうとしているアメリカの継続的な努力に悪影響を及ぼす」として、決議案に対し、大統領の権限で拒否権を発動する考えを示しました。
去年、サウジアラビアのジャーナリストが殺害された事件以降、アメリカ議会ではサウジアラビアとの関係を重視するトランプ大統領の姿勢を問題視する声が相次いでおり、大統領と議会の外交政策をめぐる立場の違いが浮き彫りになった形です。