アメリカの
メディアは、
情報機関の
分析として、ロシアが
低出力の
核実験を
行っている
可能性があると
伝え、
核軍縮をめぐる
両国の
対立がさらに
強まるおそれがあります。
アメリカの
有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは29
日、
情報機関の
分析として、ロシアが
新たな
核兵器を
開発する
目的で、
北極圏にあるノーバヤ・ゼムリャ
島で、
低出力の
核実験を
行っている
可能性があると
伝えました。
アメリカとロシアは核爆発を伴う核実験を停止していますが、ワシントンで29日、講演したアメリカ国防情報局のアシュリー長官は、「アメリカ政府はロシアが核実験の一時停止を守っていないと考えている」と述べました。
一方でアメリカは、ロシアが批准しているCTBT=包括的核実験禁止条約を批准しておらず、ことし2月には西部ネバダ州で核爆発を伴わない臨界前核実験を行ったことが明らかになっています。
ウィーンにあるロシアの国際機関代表部のウリヤノフ常駐代表は、「アメリカこそCTBTの批准を拒み、核実験場を維持している。自分たちが批判されないようロシアに矢を向けるとは、やり方が汚い」と非難しました。
アメリカとロシアは、INF=中距離核ミサイルの全廃条約を破棄するなど、核軍縮をめぐって対立していて、この対立がさらに強まるおそれがあります。
ロシアは米を非難
ウィーンにあるロシアの国際機関代表部のウリヤノフ常駐代表は、アメリカはあらゆる核実験を禁止するCTBT=包括的核実験禁止条約の批准を拒み、核実験場を維持していると指摘しました。
そのうえで「自分たちが批判されないよう、ロシアに矢を向けるとは、やり方が汚い」とアメリカを非難しました。ロシアは、CTBTが発効するために批准が必要とされる、44の発効要件国の1つで、2000年に条約を批准しています。