相続税などの
基準と
なる土地の
価格、「
路線価」が
1日公表され、
東京の
銀座は4560
万円と
過去最高を
更新した
ほか、
全国の
平均も
統計を
取り
始めて
以来、
初めて4年連続で
上昇しました。
不動産への
投資資金が
地方都市にも
波及していることが
背景に
あるとみられます。
路線価は、
国税庁が
1月1日の
時点で
全国の
主な
道路に
面した
土地、
およそ32
万9000
地点の
1平方メートル当たりの
評価額を
算定し、
相続税や
贈与税を
計算する
基準になります。
1日公表されたことしの路線価で最も高かった地点は、34年連続で東京 銀座の銀座中央通りで、1平方メートル当たり4560万円と、過去最高を更新しました。
全国の平均は去年よりも1.3%上がり、統計を取り始めた平成4年以来、初めて4年連続の上昇となりました。
都道府県別の平均では、19の都道府県で去年を上回り、雇用状況の改善や外国人観光客の増加に伴って、不動産への投資資金が地方都市にも波及していることなどが背景にあるとみられます。
都道府県庁所在地の最高地点では33の地点で路線価が上がり、沖縄県那覇市の国際通りや大阪市の御堂筋、それに神戸市の三宮センター街などで去年よりも20%以上、上昇しました。
19都道府県で上昇
都道府県別の平均の路線価が去年を上回ったのは、19都道府県となっています。
上昇率が最も高いのは沖縄です。
観光客の増加を背景に8.3%上がって5年連続の上昇です。
次いで、東京が4.9%、宮城が4.4%と上昇率が高くなりました。
石川県や大分県では、27年ぶりに上昇に転じました。
また、都道府県庁所在地の最高価格は33地点で上昇し、3大都市圏では東京が銀座の銀座中央通りで、4560万円と過去最高を更新し、大阪では、梅田の阪急百貨店前の御堂筋が1600万円と27.4%上がりました。
名古屋では、名古屋駅前の名駅通りが1104万円と10.4%上昇しました。
地方も都市部で上昇が目立っています。
沖縄県那覇市の国際通りは、103万円と39.2%上がり、観光客が多く、店舗の需要が高まっているため、全国の県庁所在地で上昇率が最も高くなりました。
神戸市の三宮センター街は周辺で再開発が進み、490万円と25%上がりました。
また、秋田市の秋田駅前通は4.2%、高知市の帯屋町商店街は2.4%上がり、上昇はいずれも27年ぶりです。
専門家「二極化が一段と加速」
ことしの路線価について不動産調査会社「東京カンテイ」の高橋雅之主任研究員は、「人と投資が一段と集中している都市部が全体を押し上げている傾向が色濃く出ている。地方圏と都市圏の二極化が一段と加速している状況だ」と分析しています。
そのうえで、「近年は、人が集まり、経済活動が活発なところにしか投資が集まってこない傾向が強まっている。地方は人を呼び込むために子育て支援や教育、医療サービスの拡充などより一層の創意工夫が求められている」と指摘しています。
今後の見通しについて高橋主任研究員は、「一部の地方圏で移住者や外国人観光客の増加によって局所的に上昇が見られることもあるが、基本的に、地方と都市圏の二極化の動きは変わらず推移していくとみられる。世界的に経済活動が低迷してしまうと投資マネーが不動産に流入しなくなるので、アメリカと中国の貿易摩擦など海外の経済活動を注視していく必要がある」と話しています。