亡くなった社員を追悼する「お別れ そして志を繋ぐ式」が2日、京都市左京区で開かれ、アニメ業界の関係者や支援者など約500人が集まりました。
初めに参列者全員で黙とうをささげた後、京都アニメーションの八田英明社長が、今も涙をこらえられない日々が続いていると話しました。
そして、世界中から寄せられた義援金やメッセージに励まされたとしたうえで、「こんなにも世界に作品が届いていたことを知りました。これからも世界中の人たちに夢と希望と感動を育むアニメーションを届けたいと思っています」と述べ、今後も作品作りに強い思いで臨む決意を示しました。
続いて、参列者たちは設けられた祭壇に進み、順番に花を手向けて、亡くなった社員たちに祈りをささげていました。
会場の一角には、中国やドイツ、ブラジルなど世界中から寄せられたメッセージやイラストなどの作品を展示するスペースも設けられました。
この会場では3日と4日、一般の人を対象にした追悼の式が開かれることになっています。
タイのファンからメッセージ集も
2日の追悼する会に合わせて、タイから、京都アニメーションに向けたメッセージ集を送った男性がいます。
制作したのは、タイの首都バンコク近郊に住む会社員のニューさん(25)です。
タイでは、日本のアニメが人気で、ニューさんは高校時代、京都アニメーションの作品「けいおん!」の大ファンとなり、登場人物たちのように仲間とバンド活動を行っていたということです。
ことし7月の事件を受けて、青春時代の大切な思い出を作るきっかけをくれた京都アニメーションの人たちの痛みに寄り添いたいと、SNS上でタイ国内のファンに呼びかけるなどしてメッセージを集めました。
寄せられたメッセージやイラストは300件余りに上り、先月、約30ページにわたるメッセージ集を完成させました。
この中には、「悲しみを乗り越えられますように」とか、「これからも応援しています」などといったメッセージが、タイ語や日本語で書き込まれています。
ニューさんは「急がなくてもいいので一歩ずつ前に歩いて、自分の心や体が治ったら、またいい作品を作ってください。僕たちは皆さんと一緒にいます。応援しています」と話していました。
「バジャのスタジオ」NHKで4日放送
NHKでは、京都アニメーションが制作した短編アニメ「バジャのスタジオ」を4日午前8時15分から総合テレビで放送します。
アニメの制作にひたむきに取り組むスタジオの人々と、そこで暮らしている「バジャ」の日常をファンタジックに描いた心温まる作品で、今回が初のテレビ放送になります。
NHKワールドJAPANを通じて世界に向けても放送します。