香港では
4日、
抗議活動の
発端となった
容疑者の
身柄を
中国本土にも
引き渡せるようにする
条例の
改正案の
撤回が
発表されたものの、
納得しない
市民による
抗議活動が
依然として
続いていて
今後、
混乱が
収束するのかは、
不透明です。
香港政府トップの
林鄭月娥
行政長官は
4日、テレビ
演説を通じて
容疑者の
身柄を
中国本土にも
引き渡せるようにする
条例の
改正案を、
正式に
撤回することを
表明しました。
これについて、5日朝の香港の新聞は、大きな紙面を使って取り上げていて、このうち、中国寄りだとされている新聞「大公報」は「政府は最大の善意を示し改正案を撤回した」などとして評価しています。
一方、中国に批判的な新聞「リンゴ日報」は「林鄭長官は悪法を撤回しただけで、ほかの4つの要求は無視した。香港は受け入れられない」などと伝えています。
これは3か月近くにおよぶ抗議活動で、市民の要求が、行政長官らを直接選ぶ民主的な選挙の実現など5つにまで広がる中、香港政府は改正案の撤回以外の4つは受け入れていないと批判したもので、各紙の論調は分かれています。
また、5日朝、一部の学校では、授業が始まる前に大勢の中高生が手をつないで、政府に対して残りの要求の受け入れなどを団結して求めていく姿勢を示したほか、4日夜は抗議に集まった若者が警察と対じする場面があり、今後、混乱が収束するのかは、依然、不透明です。
林鄭長官は、この後、日本時間の午後0時15分ごろから記者会見を行う予定ですが、市民の理解を得られるかは見通せない状況です。
林鄭月娥行政長官が、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の撤回を表明したことについて香港の20代の女性は「撤回の表明はよいことだが、少し遅すぎた。しかも5つある要求のうち1つしか応えていない」と批判していました。
また、別の20代の男性も「これまでの香港政府の対応やデモ隊への警察の対応に市民は怒っている。香港のために抗議を続けるべきだ」と話していました。