厚生労働省の
統計不正問題で、
不正な
抽出調査が
始まった
際、
当時の
担当者は「
数値を
復元する
処理を
指示したが、
それが
実施されたかは
確認していなかった」と、
厚生労働省の
特別監察委員会に
証言していることが
関係者への
取材で
分かりました。
復元処理は
実施されておらず、
その後の
調査結果はゆがみ
続けることになりました。
厚生労働省の
毎月勤労統計調査は、
大規模な
事業所をすべて
調査する
決まりなのに、
平成16
年から、
東京都内では
約3分の
1を
抽出する
不正な
手法で
行われていました。
関係者によりますと、不正な抽出調査を始めるにあたって、当時の統計の担当者は「数値を復元するためのプログラムの処理を技術の担当者に指示した」と、厚生労働省の特別監察委員会に証言しているということです。
プログラムの処理が行われれば、調査結果のゆがみは抑えられるはずでしたが、実際には行われておらず、統計の担当者は「指示が実施されたかは確認していなかった」と話しているということです。
一方、指示を受けたとされる技術の担当者はすでに死亡しているということで、詳しいいきさつの解明は難しくなっています。
去年1月に新たなプログラムが組まれて復元が行われるまで、毎月勤労統計の調査結果は14年間にわたってゆがみ続け、これを基に算出される雇用保険や労災保険の給付額が少なくなるなど、国民生活に大きな影響が生じました。