20
日午前、
航空自衛隊の
F2戦闘機1機が
訓練で
山口県沖の
日本海を
飛行中に
墜落しました。
乗っていた
隊員2人は
現場付近で
救助され、
いずれも
意識は
あるということで、
航空自衛隊は
当時の
詳しい状況を
調べています。
防衛省によりますと、20
日午前9時20
分ごろ、
航空自衛隊の
F2戦闘機1機が
訓練で
山口県沖の
日本海を
飛行中にレーダーから
機影が
消えて
連絡が
取れなくなりました。
機体には2人が搭乗していて、午前10時10分ごろ現場付近の海域でそれぞれ簡易式の救命ボートに乗っているところを発見され、まもなくヘリコプターで救助されました。
2人は発見当時、手を振るなどしていて、いずれも意識はあるということですが、けががあるかどうかなど詳しい状況はわかっていません。
機体は福岡県にある航空自衛隊築城基地の所属で、午前8時48分にほかの2機のF2戦闘機とともに合わせて3機で基地を離陸し、訓練のため山口県沖の日本海に向かったということです。
現場海域では油膜などが見られるということで、航空自衛隊は機体が墜落したと断定し、事故調査委員会を設置して詳しい状況の調査を始めました。
航空自衛隊の築城基地では、去年11月にもF2戦闘機2機が訓練中に上空で接触し、機体の一部が損傷する事故が起きています。
救急車が基地を出発
福岡県の航空自衛隊築城基地では、ヘリコプターの隣に待機した2台の救急車に何かを運び込んでいる様子が確認できました。このうち1台の救急車が午前11時半すぎに出発しました。
岩屋防衛相「不安を与え大変申し訳ない」
岩屋防衛大臣は、衆議院予算委員会で「搭乗員2名は詳細ははっきりしないが生存しているもようだ。部外への影響は現時点で確認されていないが、地元の皆様に大変、不安を与えたことは誠に申し訳ない。今後、原因を究明したうえで再発防止に努めたい」と述べました。
当時の気象状況
気象庁によりますと、午前9時ごろの山口県の日本海側の天気は曇りで、萩市にある地上の観測点では午前9時と午前10時に、いずれも3メートル前後の風速を観測していました。山口県では海上を中心に風速10メートル前後まで風が強まるおそれがあるとして、強風注意報が発表されていました。
相次ぐ自衛隊機の事故
自衛隊機をめぐっては、去年2月に陸上自衛隊のヘリコプターが佐賀県の住宅に墜落し、乗っていた隊員2人が死亡しました。
おととしは、10月に航空自衛隊のヘリコプターが静岡県沖に墜落して隊員4人が死亡し、8月には海上自衛隊のヘリコプターが青森県沖の日本海に墜落し、隊員3人が亡くなっています。
また、平成23年7月には、航空自衛隊のF15戦闘機が訓練中に沖縄県沖の海上に墜落し、パイロット1人が死亡する事故が起きています。
F2戦闘機とは
F2戦闘機は日本とアメリカが共同開発し、19年前の平成12年から航空自衛隊で運用されています。全長はおよそ15メートル、幅がおよそ11メートルあり、1人乗りと2人乗りのタイプがあります。
F2戦闘機は、福岡県の航空自衛隊築城基地などに配備されていて、去年11月には築城基地に所属する2機が訓練をしていた際に接触し、機体の一部が損傷する事故が起きています。
築城基地
航空自衛隊築城基地は、周防灘に面した福岡県東部の築上町にあり、およそ1500人の隊員が常駐しています。長さおよそ2400メートル、幅およそ45メートルの滑走路が1本あり、F2戦闘機やT4練習機のほか、地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」などが配備されています。