摂と食しょく障害しょうがい 同僚どうりょうとのランチが怖こわい ６ろく割わりが離職りしょく経験けいけん

摂と食しょく障害しょうがいは、体型たいけいへのこだわりやストレスなどが原因げんいんで食事しょくじがとれなくなる拒食しょく症しょうや、逆ぎゃくに大量たいりょうに食たべてしまう過食かしょく症しょうの症状しょうじょうがあり、専門せんもん家かによると全国ぜんこくで数すう十じゅう万まん人にんが症状しょうじょうを持もっているとみられています。

調査ちょうさによりますと、「症状しょうじょうがありながら就労しゅうろうしている」と答こたえたのは72.6％で、多おおくの患者かんじゃが生活せいかつや通院つういん、過食かしょくのため食費しょくひがかかる、といった理由りゆうで完かん治ちする前まえに仕事しごとに就ついていました。

また、摂と食しょく障害しょうがいのために仕事しごと上じょうの困難こんなんを感かんじているか尋たずねたところ、79.9％が「ある」と答こたえ、「拒食しょく症しょうでほとんど食たべることができないが、昼食ちゅうしょくに誘さそわれる」とか「過食かしょくの衝動しょうどうが起おきるのが怖こわく、昼食ちゅうしょくを控ひかえたいが、仲間なかまに誘さそわれ難むずかしい」など、職場しょくばでの食事しょくじが大おおきな負担ふたんだという答こたえが半数はんすうを超こえました。

そして働はたらいた経験けいけんがある患者かんじゃのうち58.2％が「症状しょうじょうが悪化あっかした」などの理由りゆうで「仕事しごとを辞やめた経験けいけんがある」と答こたえ、治療ちりょうと仕事しごとの両立りょうりつに課題かだいがある実態じったいがうかがえました。

専門せんもん家か「治療ちりょうしつつ働はたらけるよう会社かいしゃも支ささえを」

調査ちょうさを行おこなった日本にっぽん摂と食しょく障害しょうがい協会きょうかいの理事りじで精神せいしん科か医いの西園にしぞのマーハ文ぶんさんは「無理むりをして周囲しゅういに合あわせて食事しょくじをして症状しょうじょうが悪化あっかし、入院にゅういんするケースも出でている」と話はなしています。

そのため、患者かんじゃと会社かいしゃが症状しょうじょうを共有きょうゆうして対応たいおうを考かんがえることが大切たいせつだとしていて「働はたらき方かたについてよく話し合はなしあい、１いち人にんで昼食ちゅうしょくをとることや会食かいしょくを強要きょうようしないことなどを会社かいしゃに理解りかいしてもらうことが大切たいせつだ。社会しゃかい参加さんかは回復かいふくするうえでも大切たいせつなことで、会社かいしゃ側がわも治療ちりょうをしながら長ながく働はたらけるような支ささえを考かんがえてほしい」と話はなしています。

症状しょうじょうを説明せつめいする文書ぶんしょ 同僚どうりょうに配くばった人ひとも

働はたらき続つづけるため、同僚どうりょうに症状しょうじょうを説明せつめいする文書ぶんしょを配くばった患者かんじゃもいます。

関東かんとう地方ちほうに住すむ事務職じむしょくの25歳さいの女性じょせいは、職場しょくばに摂と食しょく障害しょうがいであることを打ち明うちあけて働はたらいていましたが、具体ぐたい的てきな症状しょうじょうを理解りかいしている人ひとは少すくなく、「そんなに痩やせてないね」など軽かるい気持きもちで体型たいけいや容姿ようしをからかわれたことがストレスとなりました。

これをきっかけに朝あさから大量たいりょうにお菓子おかしを食たべては吐はくことを繰り返くりかえし、翌日よくじつから１いち週間しゅうかんほど休やすんだり早退そうたいしたりしました。

女性じょせいは「太ふとるのが死しぬほど怖こわい、と常つねに感かんじ、同僚どうりょうのことばがストレスとなり、足元あしもとから崩くずれていくような感覚かんかくになった」といいます。

女性じょせいは、体型たいけいや容姿ようしへのささいな指摘してきが引き金ひきがねとなって摂と食しょく障害しょうがいが悪化あっかすることがあるなど、自分じぶんの症状しょうじょうを説明せつめいする文書ぶんしょを作つくり、部署ぶしょの全員ぜんいんに配布はいふすることにしました。

その結果けっか「どんな病気びょうきか詳くわしく知しらなかった。教おしえてくれてありがとう」などと温あたたかいことばをかけてくれる同僚どうりょうもいて、働はたらきやすい環境かんきょうになったといいます。

女性じょせいは「自分じぶんの症状しょうじょうや具体ぐたい的てきに配慮はいりょしてほしいことを職場しょくばにしっかり伝つたえると、働はたらきやすさにつながることもあると知しってほしい」と話はなしていました。