ヒトのiPS
細胞を
使って
移植用の
臓器を
動物の
体内で
作り出すことを
目指す研究について、
国の
専門家会議は23
日、
実施を
了承しました。こうした
研究が
認められるのは
国内では
初めてで、
研究を
申請した
東京大学の
グループは
年内にも
始めたいとしています。
研究は、東京大学の中内啓光特任教授のグループが計画し、文部科学省の専門家会議に申請していました。
研究計画ではまず、ネズミの受精卵の遺伝子を操作し、すい臓などの臓器を作れなくして、そこにヒトのiPS細胞を注入します。
この受精卵をネズミの子宮に戻して出産させると、生まれてきた子どもは、例えば、すい臓になる部分では、ネズミの細胞は増殖せず、代わりにヒトのiPS細胞によってすい臓ができると考えられています。
この研究計画について専門家会議は24日、実施を了承しました。
国内ではヒトの細胞を入れた動物の受精卵を動物の子宮に戻すことは禁止されていましたが、ことし3月に解禁されていて、実施が認められたのは今回が初めてです。
ただ、動物の体内で作られた臓器をヒトに移植することなどは禁止されています。
研究グループでは年内にもネズミでの研究を始め、将来的にはヒトの体の大きさにより近いブタでも同様の研究を行いたいとしています。
中内特任教授は「ヒトと動物の細胞が混じった生き物を作ることに不安を感じるかたがいることも分かっているので、慎重に進めるよう心がけたい」と話しています。