先月、11
年ぶりに
噴火が
確認された
小笠原諸島の
海底火山、
福徳岡ノ場では、
新たにできた2つの
島のうち片方が
ほとんど確認できなくなっていることが
国土地理院の
解析で
分かりました。
先月中旬以降、
噴火は
確認されず、
気象庁は、
島は
今後波で
削られ
存続する
可能性が
低いとしています。
小笠原諸島の硫黄島の南にある海底火山、福徳岡ノ場は先月13日に11年ぶりに噴火が確認され、大量の噴出物が積もって直径数百メートルから1キロほどの2つの島ができているのが確認されました。現在も噴煙が上がるなど火山活動は続いていますが、先月16日以降、大規模な噴火は確認されていません。
国土地理院が今月5日に撮影された衛星画像を解析した結果、東側の島がほとんど確認できなくなっていることがわかりました。波で削られたとみられるということです。西側の島は陸地部分がやや小さくなったものの、画像でもはっきりと確認できます。
また、気象庁の観測船が現場海域周辺で採集した噴火で出た軽石の一部が、7日、報道陣に公開されました。軽石は白色や灰色で表面に大きさの異なる無数の気泡が空いていて、大きいものでは直径が40センチほどとボーリングの球の2倍ほどもありますが、重さは5キロほどしかありません。
産業技術総合研究所が分析した結果、軽石に含まれる二酸化ケイ素などの成分が今から35年前の1986年の噴火の噴出物とよく似ていることも確認されました。このため、当時と同じマグマで、一連の火山活動によるものと分析しています。
福徳岡ノ場では噴火に伴う大量の噴出物で島ができ、その後、波で消失する活動が繰り返されていて、35年前の噴火では島は波の浸食でおよそ2か月後に無くなっています。
気象庁は今後、島が存続する可能性は低いとみて、関係機関とともに観測や調査を続けることにしています。
また、気象庁は周辺海域に発表していた噴火警報を継続し、付近を航行する船舶や航空機に、弾道を描いて飛散する大きな噴石をはじめ「ベースサージ」と呼ばれる火山ガスや火山灰の混合物が高速で広がる現象に警戒するよう呼びかけています。