ジョージ・フロイドさんの葬儀は9日、故郷の南部テキサス州の教会で行われました。バイデン前副大統領は葬儀に5分間のビデオメッセージを寄せ「なぜこの国では極めて多くの黒人が命を失うかもしれないと感じながら暮らさなければならないのか。人種差別や構造的な虐待に今回もまた顔を背けるわけにはいかない」と述べ、人種差別の解消と警察の組織改革に取り組む考えを示しました。
バイデン氏にとって黒人は重要な支持基盤となっており、大統領選挙まで5か月を切るなか、支持拡大をはかるねらいがあるとみられます。
一方トランプ大統領は、9日はこれまでのところ公の場で発言していません。
ただ、ニューヨーク州バファローの抗議デモの現場で先週、70代の男性が警察官に突き飛ばされ、大けがをした事件についてツイッターに投稿し、「男性はアンティファの工作員かもしれない。押されたよりも強く倒れている」として、男性は、反ファシズムを掲げる「アンティファ」の関係者で、みずから転倒した可能性があるという認識を示しました。
これについてニューヨーク州のクオモ知事は記者会見で「事実無根だ」と述べるとともに、「苦悩と怒りが広がっている時に大統領は火に油を注いでいる。良識があるならば謝罪すべきだ」と非難し、波紋が広がっています。
クオモNY州知事「思い切った警察改革の時が来た」
ニューヨーク州のクオモ知事は9日、黒人男性の死亡事件を機にデモの参加者などから声が上がっている警察組織の改革について、「長い間議論してきたが、思い切った行動をとるときが来た」と述べました。そのうえで、警察官が拘束の際に容疑者の首を締める行為を刑事罰の対象にすることや警察官の過去の処分記録を公開することなどを定めた条例が週内にも成立するという見通しを示しました。