東京とうきょう都と 新あらたなモニタリング7項目こうもく設定せってい 数値すうち基準きじゅん設もうけず コロナ

このなかで感染かんせん拡大かくだいの第だい2波はに備そなえて見直みなおしを進すすめてきた新あらたなモニタリング項目こうもくを取とりまとめました。

感染かんせん状況じょうきょうと医療いりょう体制たいせいを示しめす合あわせて7つの項目こうもくで、具体ぐたい的てきには新あらたな感染かんせん者しゃ数すうや感染かんせん経路けいろがわからない人ひとの数かずや増加ぞうか比率ひりつ、入院にゅういん患者かんじゃの数かずなどです。

都とは週しゅう1回かいをベースに医師いしや感染かんせん症しょうの専門せんもん家かに、これら7項目こうもくの数値すうちを前まえの週しゅうや緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされていた期間きかん中ちゅうの最大さいだい値ちと比較ひかくしながら分析ぶんせきしてもらいます。

その結果けっかをもとにモニタリング会議かいぎを開ひらいて現状げんじょうを評価ひょうかし、状況じょうきょうが悪化あっかしたと判断はんだんした場合ばあいは、都民とみんに不要ふよう不急ふきゅうの外出がいしゅつ自粛じしゅくの協力きょうりょくなど注意ちゅうい喚起かんきを行おこなうとしています。

一方いっぽう、新あらたなモニタリング項目こうもくには、都民とみんに警戒けいかいを呼よびかける基準きじゅんとなる数値すうちは設もうけられませんでした。

都とは7月つき1日にちから試験しけん的てきに運用うんようし、早期そうきに本格ほんかく的てきに実施じっしするということです。

新あらたなモニタリング項目こうもくは

東京とうきょう都とは、感染かんせん拡大かくだいの第だい2波はに備そなえて見直みなおしを進すすめてきた新あらたなモニタリング項目こうもくはあわせて7つあります。

これまでもモニタリングを行おこなっていた都内とないの「感染かんせん状況じょうきょう」と「医療いりょう体制たいせい」を分析ぶんせきするという大おおきな2つの柱はしらは見直みなおし後ごも継続けいぞくされますが、モニタリングする中身なかみの一部いちぶが変更へんこうされました。

このうち、「感染かんせん状況じょうきょう」のモニタリング項目こうもくは3つあります。

1. 新あらたな感染かんせん者しゃ数すう

2. 東京とうきょう消防庁しょうぼうちょうの電話でんわ相談そうだん窓口まどぐち「＃7119」に寄よせられた発熱はつねつなどの相談そうだん件数けんすう

3. 新あらたな感染かんせん者しゃのうち、感染かんせん経路けいろがわからない人ひとの数かずと増加ぞうか比率ひりつです。

いずれも1週間しゅうかんの平均へいきんで算出さんしゅつします。

消防しょうぼうに寄よせられた相談そうだん件数けんすうと、感染かんせん経路けいろがわからない人ひとの数かずと増加ぞうか比率ひりつは、潜在せんざい的てきな感染かんせんの広ひろがりや市中しちゅうでの感染かんせんを分析ぶんせきするため、今回こんかい、新あらたに設もうけられました。

一方いっぽう、「医療いりょう体制たいせい」のモニタリング項目こうもくは、

4. ＰＣＲ検査けんさと抗原こうげん検査けんさの陽性ようせい率りつ、

5. 救急きゅうきゅう医療いりょうの「東京とうきょうルール」の適用てきよう件数けんすう、

6. 入院にゅういん患者かんじゃの数かず、

7. 重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずの4つです。

陽性ようせい率りつと、「東京とうきょうルール」の適用てきよう件数けんすうは1週間しゅうかんの平均へいきんで算出さんしゅつします。

このうち、「東京とうきょうルール」の適用てきよう件数けんすうは、複数ふくすうの医療いりょう機関きかんに救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれを要請ようせいしたものの搬送はんそう先さきが見みつからなかったり、搬送はんそう先さきを決きめるのに時間じかんがかかったりした件数けんすうです。

医療いりょう機関きかんの受け入うけいれ体制たいせいのひっ迫ひっぱくの度合どあいを推し量おしはかる数値すうちとして今回こんかい、新あらたに盛り込もりこまれました。

このほか、新あらたな感染かんせん者しゃの年齢ねんれい別べつの発生はっせい状況じょうきょうなども参考さんこうにするということです。

都とは、医師いしや感染かんせん症しょうの専門せんもん家かに、これら7項目こうもくの数値すうちを前まえの週しゅうや緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされていた期間きかん中ちゅうの最大さいだい値ちと比較ひかくしながら分析ぶんせきしてもらうということです。

小池こいけ知事ちじ「全体ぜんたい像ぞうをつかむことが考え方かんがえかたのベース」

東京とうきょう都との小池こいけ知事ちじは、新型しんがたコロナウイルスの対策たいさく本部ほんぶ会議かいぎのあと30日にち午後ごご8時じから記者きしゃ会見かいけんを行おこないました。このなかで、新あらたなモニタリング項目こうもくに、都民とみんに警戒けいかいを呼よびかける基準きじゅんとなる数値すうちを設もうけなかったことについて、「これまでモニタリングをしてきたのは、例たとえば、休業きゅうぎょう要請ようせいをしたり解除かいじょしたりするための基準きじゅんだった」と説明せつめいしました。

そのうえで、「感染かんせん者しゃ数すうが急激きゅうげきに増加ぞうかした３月さんがつ下旬げじゅんの医療いりょう体制たいせいと現在げんざいではかなり環境かんきょうが違ちがってきているので、数字すうじも見直みなおさなければならない。現場げんばの数字すうじや感覚かんかくなども含ふくめて判断はんだんすべきで、どの数字すうじまでヒットしたらスイッチをオンにするかオフにするかということだけではなく、全体ぜんたい像ぞうをつかんでいかなければならないというのが今回こんかいのモニタリングの考え方かんがえかたのベースになってくる」と述のべました。

また、小池こいけ知事ちじは「都ととしては新あらたなモニタリングの方向ほうこう性せいに基もとづき、感染かんせんや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうについてモニタリングをしっかり運用うんようし、必要ひつような警戒けいかいをしながら感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしと経済けいざい社会しゃかい活動かつどうとの両立りょうりつを図はかっていく」と述のべました。

検査けんさ体制たいせいについて「現在げんざいは1日にちおよそ3100件けんの体制たいせいをすでに整ととのえている。ＰＣＲ検査けんさに加くわえて抗原こうげん検査けんさなども活用かつようして、今後こんご、1日にち当あたり1万まん件けん程度ていどの検査けんさが行おこなえるように体制たいせいを強化きょうかしていく」と述のべました。

このほか、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいについては感染かんせん拡大かくだいの状況じょうきょうに応おうじて、レベル1で1000床しょう、レベル2で3000床しょう、レベル3で4000床しょうと段階だんかい的てきに病床びょうしょうを確保かくほするとしたうえで「現在げんざいはレベル1の1000床しょうを確保かくほしている。入院にゅういん患者かんじゃ数すうは230人にん程度ていどで、重症じゅうしょう者しゃは10人にんにとどまっている。入院にゅういん患者かんじゃに対にたいして余裕よゆうがある」と述のべました。

そのうえで今後こんご、患者かんじゃ数すうが増加ぞうかし続つづけた場合ばあいに備そなえて、速すみやかにレベル2の病床びょうしょうを確保かくほできるよう29日にちに、医療いりょう機関きかんに依頼いらいしたことを明あきらかにしました。

厚あつ労ろう省しょう関係かんけい者しゃからは懸念けねんの声こえも

東京とうきょう都とが示しめした新あらたなモニタリング項目こうもくに基準きじゅんとなる数値すうちが設もうけられなかったことについて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの関係かんけい者しゃからは懸念けねんの声こえも上あがっています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうが医療いりょう体制たいせいの確保かくほに関連かんれんして今月こんげつ都道とどう府県ふけんに示しめした目安めやすでは人口じんこう10万まん人にんあたりの新あらたな患者かんじゃ数すうが1週間しゅうかんの平均へいきんで2.5人にんを超こえた日ひを「基準きじゅん日び」としていて、その後そのご、自粛じしゅくなど社会しゃかいへの協力きょうりょく要請ようせいを行おこなうとしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、東京とうきょう都との新あらたな感染かんせん者しゃ数すうは、29日にちまでの1週間しゅうかんでは2.61人にんと、厚生こうせい労働ろうどう省しょうが示しめした「基準きじゅん日び」となったということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの関係かんけい者しゃは、「協力きょうりょく要請ようせいのタイミングが遅おくれれば遅おくれるほど、ピーク時じの感染かんせん者しゃ数すうや入院にゅういん患者かんじゃ数すうが増ふえることが専門せんもん家かの分析ぶんせきで指摘してきされている。東京とうきょう都とは人口じんこうも多おおく、基準きじゅん日びを過すぎた今いま、できるだけ早はやく協力きょうりょく要請ようせいを行おこなう必要ひつようがある」として、数値すうち基準きじゅんを設もうけていない東京とうきょう都との対応たいおうに懸念けねんを示しめしています。

対策たいさく本部ほんぶ会議かいぎで専門せんもん家か「全体ぜんたい像ぞうの把握はあくと評価ひょうかが重要じゅうよう」

東京とうきょう都との新型しんがたコロナウイルスの対策たいさく本部ほんぶ会議かいぎで、国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターの大曲おおまがり貴夫たかお国際こくさい感染かんせん症しょうセンター長ちょうは、7つの新あらたなモニタリング項目こうもくについて「感染かんせんがどれぐらい広ひろがっているのか、また、そのスピードがどうなのかを感染かんせん状況じょうきょうで見みる。そして、病院びょういんで受け入うけいれられるのかについて医療いりょう体制たいせいで見みていく」と説明せつめいしました。

そして、「感染かんせん状況じょうきょう」のモニタリング項目こうもくとして新あらたに設もうけた東京とうきょう消防庁しょうぼうちょうの電話でんわ相談そうだん窓口まどぐち「＃7119」に寄よせられた発熱はつねつなどの相談そうだん件数けんすうについては「病院びょういんに行いきたいという人ひとが相談そうだんするときの電話でんわ番号ばんごうなので相談そうだん件数けんすうが増ふえてくると新規しんきの陽性ようせい者しゃ数すうが増ふえてくることがわかった」と述のべました。

また、「医療いりょう体制たいせい」のモニタリング項目こうもくとして新あらたに設もうけた救急きゅうきゅう医療いりょうの「東京とうきょうルール」の適用てきよう件数けんすうについては、「第だい1波はの経験けいけんから患者かんじゃが増ふえるとこの件数けんすうがあがってくる。患者かんじゃをなかなか受け入うけいれられないといった医療いりょう機関きかんの負荷ふかを示しめすと考かんがえている」と述のべました。

その上うえで「個別こべつの指標しひょうとその基準きじゅん値ちだけを見みるのではなく、全体ぜんたい像ぞうをきちんと把握はあくして評価ひょうかをしていくことが重要じゅうようだ」と述のべました。

都との審議しんぎ会かい委員いいん「医療いりょうの需要じゅようと供給きょうきゅうの状況じょうきょうを総合そうごう的てきに判断はんだん」

東京とうきょう都とが示しめした新あらたなモニタリング項目こうもくについて、都との新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう対策たいさく審議しんぎ会かいの委員いいんを務つとめる東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ篤郎とくろう教授きょうじゅは、「単たんに感染かんせんが確認かくにんされた人ひとの数かずを基準きじゅんにするのではなく、ウイルスに感染かんせんして医療いりょうを必要ひつようとする人ひとの数かずと提供ていきょうできる病床びょうしょうの状況じょうきょう、つまり医療いりょうの需要じゅようと供給きょうきゅうの状況じょうきょうを、専門せんもん家かが総合そうごう的てきに判断はんだんしていくというのがポイントだ。感染かんせん者しゃの数かずがある程度あるていど増ふえてもそれに対応たいおうできるだけの医療いりょう提供ていきょう体制たいせいが整ととのえられていれば医療いりょうのひっ迫ひっぱくは起おこらない。ときどきの状況じょうきょうを評価ひょうかして、3段階だんかいから4段階だんかいのレベルに分わけ、わかりやすく示しめすことができれば、注意ちゅうい喚起かんきにつなげることができると思おもう」と話はなしています。