イスラエルとUAE 国交こっこう正常せいじょう化かで合意ごうい パレスチナ側がわが猛もう反発はんぱつ

イスラエルとＵＡＥゆ-えいい-とアメリカは13日にち、共同きょうどう声明せいめいを発表はっぴょうし、イスラエルとＵＡＥゆ-えいい-が国交こっこうを正常せいじょう化かすることで合意ごういしたことを明あきらかにしました。

イスラエルとアラブ諸国しょこくは、1948年ねんのイスラエル建国けんこくにともない、パレスチナ人じんが土地とちを追い出おいだされ難民なんみんとなったことなどをきっかけにたびたび戦火せんかを交まじえました。

現在げんざい、イスラエルは、アラブ諸国しょこくとは隣国りんごくのエジプトとヨルダンを除のぞいて国交こっこうはなく、対立たいりつが続つづいています。

国交こっこうの正常せいじょう化かについて、イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうは13日にち、「イスラエルとアラブ世界せかいは新あらたな平和へいわの時代じだいを迎むかえた。アラブ諸国しょこくにとってさらに平和へいわの輪わを広ひろげるチャンスだ」と述のべ、歴史れきし的てきな外交がいこうの成果せいかだと強調きょうちょうしました。

イスラエルは合意ごういを踏ふまえ、検討けんとうしていたヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんの一部いちぶのユダヤ人じん入植にゅうしょく地ちの併合へいごうを一時いちじ停止ていしするとしています。

一方いっぽう、パレスチナは声明せいめいを発表はっぴょうし、「ＵＡＥゆ-えいい-の対応たいおうを強つよく拒否きょひする。第三者だいさんしゃがパレスチナ人じんを代表だいひょうして口くちを出だす権利けんりはない」と猛もう反発はんぱつしています。

今回こんかいの合意ごういは、それぞれの国くにが敵対てきたいするイランの包囲ほうい網もうを構築こうちくするうえで利害りがいが一致いっちしたものとみられていますが、パレスチナを支援しえんしてきたアラブの国くにがイスラエルとの国交こっこうを正常せいじょう化かさせれば、イスラエルによる占領せんりょうの現状げんじょうが追認ついにんされることになり、中東ちゅうとう和平わへいの実現じつげんはさらに厳きびしい状況じょうきょうに追い込おいこまれることになりそうです。

トランプ大統領だいとうりょう「パレスチナも自然しぜんと追随ついずいするだろう」

イスラエルとＵＡＥゆ-えいい-＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうの国交こっこう正常せいじょう化かにパレスチナ側がわが反発はんぱつしていることについて、トランプ大統領だいとうりょうは13日にちの記者きしゃ会見かいけんで、「力ちからがあるほかの豊ゆたかな国くにが加くわわれば、パレスチナも自然しぜんと追随ついずいするようになるだろう」と述のべました。

トランプ大統領だいとうりょうは、秋あきの大統領だいとうりょう選挙せんきょを見据みすえて、イスラエルを支持しじするキリスト教きりすときょう福音ふくいん派はなどにアピールするため一貫いっかんしてイスラエル寄よりの姿勢しせいを示しめしていて、今回こんかいの合意ごういにパレスチナ側がわが反発はんぱつしても、ほかのアラブ諸国しょこくがイスラエルと国交こっこうを正常せいじょう化かするようになれば、パレスチナもいずれイスラエルとの和平わへいに動うごかざるをえなくなるとの見方みかたを披露ひろうした形かたちです。

外務省がいむしょう「緊張きんちょう緩和かんわと安定あんてい化かに向むけた第だい1歩ほとして歓迎かんげい」

外務省がいむしょうは外務がいむ報道ほうどう官かん談話だんわを発表はっぴょうし、今回こんかいの合意ごういを踏ふまえイスラエルが、ヨルダン川よるだんがわ西岸せいがんの一部いちぶのユダヤ人じん入植にゅうしょく地ちの併合へいごうを一時いちじ停止ていしするとしていることについて「地域ちいきの緊張きんちょう緩和かんわと安定あんてい化かに向むけた第だい1歩ほとして歓迎かんげいする」としています。

また、「トランプ大統領だいとうりょうをはじめとするアメリカの仲介ちゅうかい努力どりょくを評価ひょうかする」としたうえで「日本にっぽんとしては、中東ちゅうとう和平わへい問題もんだいは、暴力ぼうりょくや一方いっぽう的てき行為こういでなく、当事者とうじしゃ間かんの交渉こうしょうによって解決かいけつされるべきとの考かんがえであり、イスラエルと将来しょうらいの独立どくりつしたパレスチナ国家こっかが平和へいわかつ安全あんぜんに共存きょうぞんする『二に国家こっか解決かいけつ』を引き続ひきつづき支持しじする」としています。