Actualités japonaises: 「パンケーキクラッシュ」で被害拡大かトルコの大地震

「パンケーキクラッシュ」で被害ひがい拡大かくだいかトルコの大だい地震じしん

Feb 8, 2023 19:02

Furigana

トルコ南部なんぶの地震じしんについて耐震たいしん工学こうがくの専門せんもん家かは建物たてものが垂直すいちょくに潰つぶれるように崩くずれる“パンケーキクラッシュ”と呼よばれる非常ひじょうに危険きけんな現象げんしょうがみられ、被害ひがいを拡大かくだいさせた可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

トルコで調査ちょうさの経験けいけんがある東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょの楠くすのき浩一こういち教授きょうじゅは、今回こんかいの地震じしんによる建物たてものの被害ひがいについて「低層ていそうから中層ちゅうそうに至いたるまで多様たような建物たてものが倒壊とうかいしている。中なかでも柱はしらが瞬時しゅんじに強度きょうどを失うしない、建物たてもの全体ぜんたいが真下ましたに折り重おりかさなるように崩れ落くずれおちる『パンケーキクラッシュ』と呼よばれる非常ひじょうに危険きけんな壊こわれ方かたがいくつかの地点ちてんで起おきている」と指摘してきしています。

以下いかは「パンケーキクラッシュ」のメカニズムのイメージです。

激はげしい揺ゆれで、建物たてものの柱はしらが瞬時しゅんじに爆裂ばくれつするように壊こわれます。

そして、建物たてものの各かくフロアが折り重おりかさなるように壊こわれていきます。

楠くすのき教授きょうじゅによりますと、パンケーキクラッシュが起おこると、建物たてものの中なかにいる人ひとは逃にげる間まもないため、「被害ひがいが拡大かくだいした可能かのう性せいがある」としています。

楠くすのき教授きょうじゅによるとトルコは地震じしんが多おおく、現在げんざいの耐震たいしん基準きじゅんは日本にっぽんと変かわらない水準すいじゅんだということですが、それ以前いぜんの古ふるく耐震たいしん性せいの低ひくい建物たてものも多数たすう、残のこっているということです。甚大じんだいな被害ひがいにつながった原因げんいんなどについては今後こんご、建物たてものの建築けんちく年代ねんだいとの関係かんけいを詳くわしく調しらべる必要ひつようがあるとしています。

また、集合しゅうごう住宅じゅうたくがいくつも同おなじ方向ほうこうに倒たおれる被害ひがいについても注目ちゅうもくし、大おおきな揺ゆれが一いち方向ほうこうに働はたらいた可能かのう性せいがあり、さらに分析ぶんせきが必要ひつようだとしています。

楠くすのき教授きょうじゅは今回こんかいの地震じしんでは日本にっぽんの耐震たいしん基準きじゅんを満みたす建物たてものでも大おおきな被害ひがいが出でた可能かのう性せいがあったと指摘してきした上うえで「非常ひじょうに大おおきな地震じしんはまれであっても突然とつぜん、発生はっせいするのはトルコでも日本にっぽんでも同おなじだ。日本にっぽんの耐震たいしん診断しんだん・補強ほきょうは進すすんではいるが、古ふるい基準きじゅんで設計せっけいされた建物たてものはまだ残のこっている。耐震たいしん補強ほきょうをさらに進すすめることが非常ひじょうに重要じゅうようだ」と話はなしています。

“日本にっぽんの「震度しんど7」に相当そうとうする激はげしい揺ゆれ“

地震じしん工学こうがくが専門せんもんの山形やまがた大学だいがくの汐しお満まん将しょう史し助じょ教きょうは日本にっぽん時間じかんの6日にち午前ごぜん10時じすぎに起おきたマグニチュード7.8の地震じしんについて、トルコ国内こくないにあるおよそ30の観測かんそく点てんで得えられた地震じしん計けいのデータを解析かいせきしました。

その結果けっか、震源しんげんの直上ちょくじょうにあたる震央しんおうから南西なんせいおよそ60キロにあるハタイ県けんのハッサでは、日本にっぽんの震度しんどに換算かんさんして「震度しんど7」に相当そうとうする激はげしい揺ゆれが観測かんそくされていたことが分わかりました。

震度しんど7の揺ゆれは1995年ねんの「阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい」や2011年ねんの「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい」、2016年ねんの「熊本くまもと地震じしん」でも観測かんそくされ、いずれも甚大じんだいな被害ひがいが出でています。また震度しんど「6強きょう」や「6弱じゃく」に相当そうとうする揺ゆれが震源しんげん付近ふきんの長ながさおよそ160キロの範囲はんいに及およんでいたことも分わかりました。

揺ゆれの周期しゅうきについては、日本にっぽんの中層ちゅうそう以下いかの建物たてものなど比較的ひかくてき大おおきな構造こうぞう物ぶつにも大おおきな被害ひがいが出でるおそれのある、1秒びょうから2秒びょう程度ていどの揺ゆれも観測かんそくされたということです。

汐しお満まん助じょ教きょうは「日本にっぽんの建物たてものでも大おおきな被害ひがいが出でうる震度しんど6強きょうから7相当そうとうの激はげしい揺ゆれが生しょうじたことが大おおきな被害ひがいにつながったと考かんがえられる。今回こんかいの揺ゆれ方かたが建物たてものにどう影響えいきょうしたか、今後こんご、さらに検証けんしょうが必要ひつようだ」と話はなしています。