岸田きしだ首相しゅしょうが見直みなおす意向いこう そもそも自己じこ都合つごう離職りしょくの失業しつぎょう給付きゅうふとは

財源ざいげんは労働ろうどう者しゃと使用しよう者しゃが負担ふたんする保険ほけん料りょうや国費こくひでまかなわれています。

失業しつぎょう給付きゅうふを受うけられる離職りしょくの区分くぶんは、倒産とうさんや解雇かいこなどの「会社かいしゃ都合つごう離職りしょく」と転職てんしょくやキャリアアップなどの「自己じこ都合つごう離職りしょく」とがあり、給付きゅうふの内容ないようなどが異ことなります。

給付きゅうふ期間きかんは、本人ほんにんの年齢ねんれいや雇用こよう保険ほけんを支払しはらっていた期間きかん、離職りしょくした理由りゆうなどによって変かわります。

このうち受け取うけとりが始はじまる時期じきについては、「会社かいしゃ都合つごう離職りしょく」と「自己じこ都合つごう離職りしょく」で大おおきく異ことなります。

一方いっぽう、転職てんしょくやキャリアアップなどの「自己じこ都合つごう離職りしょく」を理由りゆうとした場合ばあいは、7日間にちかんの待機たいき期間きかんに加くわえ、原則げんそく、2か月かげつ間かんの「給付きゅうふ制限せいげん」が設もうけられ、その後そのごでないと受け取うけとれません。

こうした差さが設もうけられているのは、就職しゅうしょくと離職りしょくと繰り返くりかえし、意図いと的てきに失業しつぎょう給付きゅうふを受給じゅきゅうすることなどを防ふせぐためです。

このほか給付きゅうふの期間きかんにも差さがあり、「会社かいしゃ都合つごう離職りしょく」の場合ばあいは原則げんそく90日にちから330日にち、「自己じこ都合つごう離職りしょく」の場合ばあいは原則げんそく90日にちから150日にちとなっています。

停滞ていたいしている経済けいざいを活性かっせい化かするため、成長せいちょう分野ぶんやや人手ひとで不足ふそくの業界ぎょうかいへの人材じんざいのスムーズな移動いどう、つまり転職てんしょくを促うながす狙ねらいがあるとみられます。

こうした見直みなおしは過去かこにも行おこなわれています。

3年ねん前まえまで「給付きゅうふ制限せいげん」は原則げんそく3か月かげつ間かんでしたが、安心あんしんして転職てんしょくの活動かつどうを行おこなうことができるよう環境かんきょうを整ととのえたいとして1か月かげつ間かん、短縮たんしゅくされ、いまの2か月かげつ間かんとなりました。

「失業しつぎょう給付きゅうふのあり方ありかたを見直みなおすことには賛成さんせいだが、それが直接ちょくせつ、労働ろうどう移動いどうの円滑えんかつ化かにつながるかは少すこし懐疑かいぎ的てきだ。

理想りそうは失業しつぎょうなき労働ろうどう移動いどうだと思おもうので、失業しつぎょう期間きかんが短みじかくなっても損そんをしないような仕組しくみにまで踏み込ふみこまないと労働ろうどう移動いどうが円滑えんかつに進すすむことにつながらないのではないか。例たとえば失業しつぎょう期間きかんを置おかずに転職てんしょくしても、給付きゅうふにあたるものをもらえたり、失業しつぎょう給付きゅうふにあたる財源ざいげんをリスキリングに回まわしたりすることなどで、そうした思い切おもいきった政策せいさくをとれれば労働ろうどう移動いどうが進すすむ可能かのう性せいがある」

労働ろうどう団体だんたい・連合れんごう東京とうきょうによりますと、会社かいしゃから退職たいしょくを促うながされたり、「来こなくていい」と言いわれたりしたものの、退職たいしょく届とどけには「一いち身上しんじょうの都合つごう」と書かくように言いわれるなど、「実際じっさいは会社かいしゃの都合つごうでの退職たいしょくなのに、自己じこ都合つごうでの退職たいしょくにするよう言いわれた」といった相談そうだんもあるということです。

「相談そうだんの中なかで多おおいのは、『会社かいしゃの都合つごうなのに、会社かいしゃ側がわの負担ふたんが少すくない自己じこ都合つごうでやめさせられてしまう』といったものだ。政府せいふにはこうした現状げんじょうを踏ふまえた上うえで失業しつぎょう給付きゅうふのあり方ありかたを検討けんとうしてほしい。

自己じこ都合つごうでやめる人ひとへの給付きゅうふを手厚てあつくするだけでなく、やめることを決きめた人ひとが次つぎの仕事しごとを探さがせる環境かんきょうをもっと充実じゅうじつさせることも必要ひつようだと感かんじている」