警視庁によりますと、死亡したのは視覚障害のある東京 港区に住むしんきゅう師の71歳の男性で、防犯カメラには男性が1人で線路に沿うようにホーム上を歩いていた際によろめくように転落する様子がうつっていたということです。つえは持っていなかったということです。
警視庁によりますと、男性は、ほとんど見えないとして、身体障害者1級の認定を受けていて、家族の話では数年前にもホームから転落したことがあったということです。
この駅のホームには点字ブロックはありますが、ホームドアは設置されておらず、東急電鉄よりますと、来年度中に設置予定だったということです。
事故が起きた当時、利用客は少なかったということで、警視庁は男性が誤って転落したとみて詳しい状況を調べています。
駅の利用者は
駅の近くに住む70代の女性は「もう30年ぐらいこの駅を利用していますが、駅のホームが狭くて人とすれ違うのも危ないです。ホームドアは、できればあったほうがいいし、安全です」と話していました。
また、36歳の会社員の男性は「ホームの幅が狭いので、踏み外すと落ちるなという印象で、心配です」と話していました。
ホームドア 下神明駅は来年度中に設置予定
東急電鉄よりますと、大井町線にある16の駅のうち、7つの駅にはすでにホームドアが設置されていますが、下神明駅を含む残り9つの駅については、来年度中に設置予定だったということです。
相次ぐ視覚障害者の転落事故
視覚障害のある人が駅のホームから転落する事故は、これまでにも相次いで起きています。
おととし8月には、東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬を連れた男性が線路に転落し、電車にはねられて死亡しました。
同じ年の10月には、大阪 柏原市にある近鉄の大阪線、河内国分駅で、視覚障害のある40歳の男性が通過する特急電車にはねられ死亡しました。
さらに、去年1月にも、埼玉県のJR蕨駅で、盲導犬を連れた男性が線路に転落して死亡しています。
国土交通省によりますと、昨年度、駅のホームからの転落事故は全国で2870件起きていて、このうち視覚障害のある人の転落は65件ありました。
昨年度までの8年間では合わせて605件に上っていて、ホームドアの設置などの安全対策が急がれています。